第17話とある傭兵の物語 後編

俺の名前はゲイリームーア。元合衆国海軍大尉だった。軍は俺のようなロートルは要らないらしく僅かな退職金だけ渡して軍を除隊させられたな。で、俺は行く宛もなかった訳で、とある酒場で飲んでるとベトナム空軍の教官になってくれとの事だったので俺は二つ返事で了解したさ。

そしてそこで俺はベトナム空軍を支えるパイロットたちを多く育て上げ多数の報酬をもらって生活するという傭兵稼業に転じたわけだ。ほかにも運び屋もやったよ。まあ、中南米でのコカインの密輸の運び屋をしたりヘロインの輸送や亡命者の輸送なんていうのもやったよ。まあ、そんな稼業もそう長くは続くわけもなく80年代に傭兵稼業を廃業してその後日本のとある航空会社に雇われパイロットとして小型機を飛ばしていたがな。で、其の俺も89年にパイロットを辞めたわけだが会社側は俺の経歴を買ってくれたらしく系列会社のほうで教官をしてくれという仕事の口がもらえたので俺は拒否する理由もないのでそのまま教官としていろいろと指導したさ。

そして俺はこうして齢90過ぎまで生きることができたわけだ。まあ、合衆国には愛想が尽き、今は日本が祖国としておれは思っている。まあ、今でも非常勤で北崎、水瀬、来栖川、鏑木が出資した軍事資料財団の非常勤講師として週2回出勤している身であるが、日本という国はある意味病気になってもすぐに医者に診てもらえる。国民皆保険制度というのが充実しているからであるがこの辺りは米国にはないところだな。まあ、その辺はイギリスに似ているのかもしれん。そして食い物も米国の食い物とは違って素材の味を生かした調理というべきなのか初めはあれだったが食いなれると病みつきになる旨さであるな。今ではすっかり大豆製品の食い物が病みつきになったな。


まあ、今はその財団が用意していくれた社宅が終の棲家となるがタカツキ夫妻やヒダカ、それにかつて真珠湾で邂逅した女性パイロットも同じ財団に在籍して仕事をしているのである意味おれは幸せなのかもしれんな。

まあ、俺の人生どうやら幸福で終わりそうだな。まあ、残りの余生は目いっぱい過ごさせてもらうとしますかね。


そしてその記録をのこした数日後彼は息を引き取った。最後は同じ財団の仲間に看取られて死んだそうだ。そして彼の遺言通り遺体は荼毘に付されとある寺院に埋葬されたそうだ。

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なでしこ隊飛行戦記  黒天使シリーズ第二部 テンマP @taku2639

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