第8話米航空隊のお兄さん方達とひと悶着起こす

9月のある日だったわね。私たちの部隊が定例の空中給油訓練を終えて居候しているホイラー飛行場に降り立った私たちだったけれどそこで米軍のお兄さん方が私たちに絡んできたようね。


「ダージリン。もう少し給油可能になるまでの時間を詰めれそうね」

「そうですね。お姉さまの給油はいつ見ても惚れ惚れいたしますわ~」

「そうっすね。私の場合は早すぎてドローグ壊して大目玉っす」

とローズヒップが言うと一同が大笑いしていたわね。


「姉ちゃん達。ここは米空軍航空隊のシマだぜ。ジャップや王族空軍の嬢ちゃんたちが大きな顔で来られるとこまるんだがなぁ」

「あんた誰。名を名乗れよ」

「そうだな。チャック・ズィーガーだ。あんたの名前は」

「あたし?アタシは瑞雲ユキ。チャック・ズィーガーと言ったわね。たしかアンタ超音速を突破した男だったわね。まあ、時差の関係であたしのほうが先に突破したことになってるけれどね。で、その命知らずのパイロットがどうしてハワイに来たのよ。てっきり本土のミューロック空軍基地にいたと思ったけれどね~」

と私が流暢な英国式英語で言うと。

「その。済ました顔を殴らないと気がすまないんだよ~」

「やれやれ。言論ではなく。暴力で解決しようということですか。なんというかさすがメリケンのやり口ですか。売られた喧嘩は買いましょう」

そんな感じで大乱闘になったわけだけれど。米兵の誰かがやけになったのかジャックナイフを出してきたのを見て私は完全に切れたわね。

「ダージリン。奴ら武器出した。構うことないぶっ殺してかまわんよ。正当防衛ってやつさね」

で、騒ぎを聞いたMPたちが騒動を聞きつけてやってきたんだな。で、その様子を見て絶句していたようね。なにしろ屈強な男たちが女の集団によってコテンパンにのされた上に手足があらぬ方向に皆ひん曲がっていたからね~。


で、その騒ぎは司令部にも入って私たちは事情聴取をうけることになったわね。そしてそこで私はありのままの状況を両軍の憲兵につたえたわね。私たちは襲われたそれで応戦した。相手が武器出したので半殺しにしたという事実もすべてね。まあ、お偉いさんたちは狂犬ぶりに縮こまったりかな。


それから数日感私たちは禁足を命じられたわね。で、その禁足が終わったあと米海軍のお兄さんがきたようね。

「あんたたちも喧嘩売りにきたのか?売るなら買うけれどあの空軍連中の悲劇をみたいならね」

ところがゲイリーという男は言う。

「違う。違う。あんな連中と一緒にしないでくれ。ただな。君たちの腕前を知りたいのだ。背中を預かる。預けるにしてもな」

「なるほど。で、そっちの金髪兄ちゃんはだれ」

「俺?俺はミッキーライアン太平洋で活躍していた。まあ、何度も太平洋の海水をのまされたがな。でも例の地獄猫故に生き延びたというやつさ。隣はゲイリームーア大尉だな」

「そう。じゃあ4機小隊で模擬空戦といきますか」

「ああ。それでいい。機材はお互いの機体をつかうとしよう。で、だ。撃破判定だが訓練用のペンキ弾をつかうとしよう。これならお互いに打ち合って被弾箇所が分かりやすいからな。そっちもあるだろう」

「あるわよ。それじゃあ行きますか」

そんな感じで私たち4機はホーラー飛行場を飛び立ち所定の位置へと編隊を飛ばす。

「来たようだな。とりあえず作戦高度は34000フィートから5000フィートまで司令部には話をつけたではお互いにフライパスして戦闘開始だ。いいかね」


「いいわよじゃあ。アメリカさんの腕前を拝見させてもらいますかね」

そんな感じでジェット艦載機同士の空戦がはじまったわね。まあ、お互いロケット、誘導弾はなしの純粋な機関銃を使ったドックファイトでの戦闘ということになるわね。

その時私は高度33000フィート上空を警戒していたけれどまさか下から一気に駆け上がっての襲撃に私は咄嗟にひねり込んだわね。で、ダージリンとローズは無事だったけれどアッサムはやられたようね。無線でやられたから引き上げるとはいってきたからね。

そしてその直後に私は射撃位置について無言で機銃の発射ボタンを押す。7式二〇ミリ回転銃身型機関銃の威力は凄まじく数秒で300発以上を敵機のエンジンに叩き込んでいたわね。その後私たちが上位ヲ取られての不利な状況下だったけれど結局は私たちの編隊が勝ったわね。まあ、勝ったと言えるかどうかは別問題だけどね。実際お互いの機隊はエンジンやらコックピット下部に大量のインクがべっとりと引っ付いていたわけでこれが実弾だった場合を想像してお互いに青くなったりしていたわね。

「ゲイリーだったわね。あんたもいい腕だよ。ライアン中尉。あんたも突撃するくせをやめて冷静にことに当たれればあたしでも及ばぬ腕になるよ。せいぜい生き延びなさいね」

「ああ。ユキだったな忠告感謝するぜ。またな」


まあ、そんな感じだったわね~。その後整備の際に大山敏朗となる技術士官に呼び止められたんだ。

「あんたが瑞雲ユキだな。随分と荒っぽくやってくれるなぁ」

「たしかにそうね。粗っぽくは乗ってるけれど雑には乗ってないわよ」

「確かにそうだ。話は聞いたよ今日米海軍のお兄さんたちとやりあったそうじゃあないかどうだった奴らの機材は」

「見たところ私たちと似たような性能かな。でも上昇力などのエンジン性能は米軍の方に軍配があがるかな。あと、誘導弾やロケットをつかって機銃をあまり重視しているようにはみえないね。まあ、ジェットの速度だと確かにチャチなM2重機の発射速度じゃあね~」

「そうか~。で、どうだった射撃管制装置の具合は」

「申し分なしかな。だけどどうも旋回時などのGで少し調子を崩すかな。まあ、そこは私の経験と勘で補正しているけれどね。まあ、思いっきり近づけば弾道もへったくれもないからね。で、短時間で大量の弾をばら蒔けるガドリング式機銃は便利だよ。多分これからのジェット戦闘機の主力になるかもしれないなぁ。


「だよな。問題はモーターなどを組み込むから大型化が避けられないのと大量の弾丸を消費するのが難点だな」

「でも、飛行機を落とすならそれもやむなしとおもうね。鳥撃つのには小銃よりも散弾銃のほうが落としやすいということだとおもうね」

「いつも貴重な意見をありがとうな。どうだい今夜いっぱい」

「そうね。でも、私飲めないけれどご飯なら付き合ってあげるわよ」

「そうか~」

とまあ、大山という技師としりあったけれどまあ、彼とはその後運命の人になるとはこの時点ではまだ知る由もなかったんだよね~

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