番外編

第13話 1955年における世界の状況

今回は1955年昭和30年における世界と日本の状況をいくつか紹介します。



1949年(昭和24年)に始まったアメリカ戦争と日本では呼ばれているが世界では第三次世界大戦という風に認識された戦争であるがこの戦争は奇妙な戦争ともいえる。事の始まりは1946年に始まった合衆国分裂から起こる。イギリスを占領したアメリカであったが、カナダから同時多発的に北部から侵攻されモンタナなどを占領されたアメリカであったが休戦協定が結ばれた時には首都のワシントンDCが陥落寸前という状況であったりする。そして日本とイギリスの共同研究によりニュークが開発されたという情報が入りアメリカ首脳部は核攻撃を恐れて停戦を呼びかけそしてイギリス本土返還という手を打ったともいえる。

で、カナダの方もまた休戦が発布されたと同時に元のカナダ国境まで軍を引いていたりする。


そしてそのことに激怒した南部諸州とカルフォルニア、アリゾナ、ユタ、オレゴン、コロラド、ネバタ、ニューメキシコ州が合衆国連邦から独立しアメリカ連合国を設立。以後にらみ合いが続くことになる。


そして欧州では同じ年に東西に分かれていたドイツが一つとなり、亡命していたカイザーの息子が新たなドイツ皇帝となるも、イギリス王室と同じく権威を持つが政治にはノータッチというスタイルを取りドイツが統一を果たす。一方、フランスなどはドイツ占領から解放されるも軍事などはかなり制限が課せられている状況であったりする。まあ、ヴィシー政府が完全なフランスとなりドゴール将軍とその一味達は反逆者としてイギリスから引き渡され46年に国家反逆者としてギロチンの露と消えている。

ベネルクス三国も一応開放されるも植民地はすべて解放させられ経済的にもひどい状況となっている。まあ、ドイツの傀儡に近い状態といえよう。


そしてイギリス本土はロンドンが核攻撃を受け廃墟となり、国土の8割が戦場となった上インドなどの植民地も50年までに独立ということで下手な手を打てず手持ちの兵器などを売り飛ばすなどして経済を立て直していたりする。それが45年以降の世界の状況であったりする。


一方日本も空襲を受け、連合艦隊、海上護衛総体ともに少なくない被害を受けたが停戦後の大規模な金融緩和と海外向けの船舶の輸出などで不景気を脱却しつつあった。そして時の首相である吉田茂氏が打ち上げた国土改造5か年計画により、戦前から構想があった弾丸列車の開発や首都から各都市を結ぶ高規格道路網の整備、鉄道施設の電化、無煙化促進、公衆衛生の向上などあらゆる分野の開発が進んでいた。

まあ、当然軍の縮小が図られ多数の旧型艦艇が解体や民間に払い下げられたり、シベリア王国などに売却されていった。そこには陸軍の航空機や戦車、火砲なども同じであったりする。そこには軍で実用化されていたブルドーザー、ホイールローダー、モータースクレーパーや油圧ショベル、ドーザーショベルなどの工事用重機械も払い下げられ土木、建築業界に機械化革命を起こすことになる。そして物流面でもフォークリフトとパレットによる荷役作業の機械化やデリック搭載トラックが販売されるようになり石材や小型変圧器といった重量物の荷役の省力化に大きく貢献したりしていた。

むろん農業分野でも耕運機やブルドーザーやら軽戦車などを改造したトラクター、刈り取り用のコンバインや作付け機などといった機械化が大きく進められていった。

まあ、そして農協、漁協といった中小、零細農家、漁師の組合ができたのも45年以降の農政改革によって登場している。



そしてそれから数年後とうとう合衆国は暴発し世界の各都市にニュークを打ち込むという暴挙に出た。まあ、それからどうなったかはここでは割愛する。



そして1950年に日本を主体とした世界連合軍はワシントンDCを電撃占領しその席でアメリカ合衆国、連合国双方に停戦交渉を始めさせた。

その結果アメリカ合衆国、連合国は喧嘩別れの形になりミシシッピ川が国境としてその対岸50kmは非武装中立地帯として制定された。

そして五大湖工業地帯はイギリス、カナダが占領しフロリダはドイツが日本はハワイ、アラスカの占領というか租借することになった。


そしてイギリスと日本、ドイツ、イタリア、ロシア、シベリア皇国の連名で国際連合が提唱され、国際連盟に代わり国際社会の協調というもくてきで設置された。

そして東南アジア、アフリカで独立ラッシュが開始され。インドネシア、フィリピン、ビルマ、マレーシア、シンガポール、パプアニューギニア、ソロモン諸島が独立し国際連合に加盟していった。そしてアフリカ諸国も同様に次々と独立していった。最初に独立したのがケニア、南アフリカが独立しその後次々と独立をしていった。まあ、日本はその独立支援のために自国産業の育成支援などの国際協力を地道に行っていたりする。

なお、日本領であった台湾、パラオ、マーシャル諸島は独立するか否かの島民投票の結果日本残留を選んだため、日本の自治区となり、日本の法律と行政サービスが入ってる。そしてパラオ、トラック環礁は南洋漁業、航空、航路の中継、補給地として大いに繁栄することになる。


アメリカ合衆国、連合国双方とも国際連合には加盟するも完全敵国扱いとなりものすごい金額の分担金を課されている。なお、未払いが一度でもあるとものすごい制裁が待っていたりする。


そして55年には日本の工業地帯による公害問題により施設の更新と臨海工業地帯の拡充が図られ東海道に新たな弾丸鉄道が開通し新幹線という名前でデビューした。

なお、日本の鉄道網は大正年間による大改造計画により1035mmゲージから1435mmの国際標準ゲージに改軌され、連結器の自動化などにより輸送力の強化がおこなれていたがそれも限界に来つつあった。そして弾丸鉄道による高速鉄道化により旅客をすべてそちらに回すということだそうだ。そして完全電車特急と道路交差はすべて高架ないしはトンネルで迂回させた高速鉄道が登場し時速200kmの運航がおこなわれ東京~大阪間が3時間で行けるようになった。そして貨物輸送も貨物ヤードを廃止し、貨車輸送からコンテナ輸送へと転換が始まっていた。

そして新たに国土全通計画として瀬戸内海、津軽海峡を橋とトンネルでつなぐための地質調査と予備工事が行われていたりする。


世界の方では欧州で経済的連合がドイツ主体で行われ始めたようだ。まあ、フランスなども占領されてしまった上でかいほうされたわけではなかったので文句も言えず

ドイツ、フランス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクの関税をフリーにして流通の自由化をし始めたようである。


イギリスはイギリスでストライキ頻発でかなり厳しい状況となっているようだ。で、軍のほうも大規模な軍縮が行われ大多数の艦船がオーストラリアなどの加盟国に流れ

残りはスクラップになったりしていた。陸軍も大規模な軍縮はおこなれるも特殊部隊が逆に強化され、緊急展開能力を強化という方向に舵をきりだしたようだ。そして国連軍の提唱もイギリスが音頭を取っている。


中華周辺の状況であるが、強力な指導者がおらず、毛沢東率いる共産党はすでに殲滅されており国民党も同じく壊滅的な打撃を受けており政治的な空白状況となっており、各地で軍閥が横行する無法地帯となっている。それに伴ってハルピンなどの満州国とシベリア皇国に人口が流入し安価な労働力による工業化が盛んになりつつある。

東南アジア方面は欧州から独立し日本の支援によるインフラ整備や教育により徐々に国力をつけ始めた。なお、旧型の艦艇の一部は東南アジア海軍や海上警備隊に売却されていたりする。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る