概要
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!真実を写し得る眼に写されてみる覚悟は、あるだろうか。
才能って何だろう?
目に見えない、テストや検査で測れない、つかみどころがない。
けれども確かに、どんな分野でも何かにつけて取り沙汰される。
才能というものは存在し、人によってその多寡が異なるらしい。
どちらも若くて繊細な、才能に溢れた人と平凡さを自覚する人。
世界を翻訳してみたいと望む切実な心はよく似ているけれども、
傷つけることや傷つけられることを恐れれば、触れ合えない。
振り返って、私自身はどうだろう?
打ち砕かれたり嫉妬したり曲解したり、しなくなってきました。
物凄さに衝撃を受けたり悔しくなったりすることはあるけれど、
さんざん痛い目に遭って、したたかに開き直れてきたようです。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!書くことは勇気のいること
表現する方法にも色々あって、例えば綺麗に見えるテクニックをふんだんに使ってひたすら見映えを追求したようなものだって一つの方法だし、そういうのを好む消費者だっている。しかし、この小説に登場する女性二人が追っている表現は違う。彼女らが追っているのは、自分の中に入っているものを実直に見つめ直し、世界で自分一人にしかできないような方法で見ているものを”翻訳”することだ。それはとても勇気の必要な行為で、全部出し切った作品が評価されなかったらどうしよう、自分に才能なんてなかったらどうしようという恐怖が常に付きまとう。それでも、愚直に書き続けることしかできないし、結局表現者ってそういう生き物だよね。表現を…続きを読む
- ★★★ Excellent!!!読む前から覚悟はしていた。――ああ、苦しい。
カクヨム登録者二十五歳以上の六割を殺す物語ではないでしょうか。創作にもがく人々の話はあまりに自らを投射するので避ける傾向だったのですが、〝彼女〟が出てくるのならば読まねばならない。結果、殺され、でもまたキーボードを打ち付けているのですから不思議なものです。
さて、下記は「カクヨム金のたまご」 髙橋剛氏の言葉の引用です。(勝手にして怒られるかなあ、多分、大丈夫だと思いたい)
『リアリティには文字通りの現実味のほか、物語的な現実感も含まれます。現実味を出すには事象をご自身の観点から捉えて文章で過不足なく説明する必要がありますし、現実感を出すには設定が著者の都合ならぬ必然性をもって練られている必…続きを読む