概要
その探偵は、必ず依頼を失敗する
皆様、お初にお目にかかります。
私は、犬飼探偵事務所唯一の従業員にして、所長である犬飼薫先生を敬愛する探偵助手をしております。
先生は、人知を超えた嗅覚、常人離れした記憶能力、多岐にわたる特殊技能を持ちます。まさに、天から二物も三物も与えられた名探偵といえましょう。
しかし、この方には大きな欠点があったのです。
世間から『変態ガスマスク』『態度が大きいヘボ探偵』『未解決率100%』と揶揄される犬飼先生。
その芳しき真実の記録を、不肖ながら、この下羽薄雪が綴らせていただきます。
私は、犬飼探偵事務所唯一の従業員にして、所長である犬飼薫先生を敬愛する探偵助手をしております。
先生は、人知を超えた嗅覚、常人離れした記憶能力、多岐にわたる特殊技能を持ちます。まさに、天から二物も三物も与えられた名探偵といえましょう。
しかし、この方には大きな欠点があったのです。
世間から『変態ガスマスク』『態度が大きいヘボ探偵』『未解決率100%』と揶揄される犬飼先生。
その芳しき真実の記録を、不肖ながら、この下羽薄雪が綴らせていただきます。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!「真実は、正しきを挫く」――その信念とともに、探偵は依頼を『失敗』する
大正のレトロな雰囲気が華麗な、コメディ要素の強い探偵小説です。
犬飼探偵事務所の犬飼探偵は、常に鈍色のガスマスクを着け、外見からしてかなり怪しげ。
おまけに致命的に空気が読めず、誰かとの会話はかなり有能な助手の少女に任せきり。
そうでなければ、依頼人が帰ってしまうような発言ばかりしてしまうから。
しかも並はずれた能力を持つのに依頼は必ず失敗と、
これだけ見ると『ヘボ探偵』と揶揄されるのもおかしくない、と思えてしまいます。
しかし読み進めていくうちに、それが違うと分かってきます。
一話終盤、堂々とした彼の信念はあまりにも鮮烈で、犬飼探偵は確かに『探偵』でした。
有能な助手が、ああも彼を探偵…続きを読む