入院二回目 恐怖の持続点滴

 退院後一週間半ほどしてから、退院後のチェクとして診察に行きました。特に痛みもなくなっていたし、つわりも治まり特に気になることもなくルンルンでした。けれど、そう上手くはいかないものです。

 4cmあったはずの子宮頚管が、何故か2.6cmに縮んでいました。この時20週。この時期にしてはちょっと短いのだとか。

 主治医には「2cmを切ると入院ね」と言われ、取りあえず自宅安静することに。この時、特に薬は出てません。

 それからの4日間は不安でたまりませんでした。初期もしばらく出血していたので、それまで何度となく「もう駄目かもしれない」と思いながらやっと5ヶ月までたどり着いたのに、またこんな思いをしないといけないなんて。

 また、病院でお腹は張っていないかと聞かれましたが、あの頃はそれがどんなものかがイマイチよくわかりませんでした。わからないので余計に不安だったのです。おりものは、言われてみれば急に増えたかなー?くらいのもので、特に自覚症状はありませんでした。

 そして、ちょうどその頃に引っ越しを予定していましたので、余計そわそわしていたのかもしれません。

 前回書いた通り、実家近くの病院に受診後翌朝入院し、退院。けど、その時に「這うよう生活するように」とのお達しがあったので、夫との家には帰れていませんでした。

 こんな状態ですので、わたしの代わりに両親が引っ越しを手伝ってはくれました。なのでわたしは何もしてないどころか、結局帰らないまま引っ越してしまいました。(結局、出産後二ヶ月半でようやく新居に帰ることができました)


 そして引っ越し当日。

 ひとり実家で寝ていました。けれど、なんだかその日はちょっと変。トイレに起きるとどうもお腹が重く、皮がピーンと張り詰めたような感じでした。もしやこれが張りなのか? と思い、しばらく横になって様子を見ましたが、なかなか治まりません。

 ネットで調べてみると、だいたい30分休んでも治まらないときは病院へ連絡しましょうと書いてありました。

 ずっと寝てるけど治まらない。電話すると「夕方までに治まらないときは受診してください」と。

 夕方に両親が引っ越しから帰宅する頃には多少ましだったかもしれません。でも、やっぱりよくわからないので、その夜受診することにしました。

 子宮頚管は変わらず2.6cm。モニターをつけてみても、張りは感知しなかったそうです。だったら張り止めもらって帰れるのかなと期待しましたが、大事をとって入院することを強く勧められました。(これが34週くらいだと様子見で良いらしいです)

 前回はただ筋腫が痛くて、便宜上「切迫流産」と病名がついていました。ですが、今回は正真正銘の切迫流産になってしまったわけです。また入院することがショックで、今度はそれで頭がいっぱいでした。

 入院と同時に24時間の持続点滴も始まりました。中身はリトドリン(張り止め)。ウテメリンと似たようなものです。これがまた副作用が強くて4、5日苦しみました。


わたしに出た副作用


体が火照る

脈が速くなる(約100/一分)

手が震える

吐き気(吐いた)

血管が脆くなる

目の回りのブツブツ(産後まだある)


 特に困ったのが吐き気と血管が脆くなること。吐き気はつわりが戻ってきたかのような具合でした。その後4週間ほど点滴していましたが、日毎に酷くなっていきます。始めた日の翌朝と、最後の方で吐きました。それまでは一旦つわりは治まっていたのに、またまた特定のものや臭いがダメになりました。

 鶏肉とバナナと人参とごま油。つわりの時と一緒です。品目は少なくなってよかったけど。シャンプーと洗剤の臭いは産後も嫌です。

 因みに、最後の方に吐いたのは鶏肉を食べたから。入院してしばらくは食べられていたんですが、だんだんおかしくなってきたなと思ったら、遂に。

 点滴がきっかけだったのか、たまたま同じ時期にぶり返したのかはわかりません。

 血管は、脆くなると点滴の針を刺せるところがなくなってきます。キチンとさせていても、脆いと薬剤が血管から漏れていくからです。

 漏れたらこれがまた痛い。夜中の寝ている間だったので、腕がパンパンになるまで気づかなかった。朝方にひとりでパニック。急いでナースコールしたら漏れてた、と。


 点滴だけはどうにも苦痛で、わたしの全ての入院ストレスはここに集中していたと言っても過言ではありません。なんせ24時間ずっと管に繋がれているので鬱陶しい。(一回目の入院時は朝夕だけだったので、留置針は使いますが点滴が終われば管は外れていた。それでも嫌でしたけれど。)

 お風呂もトイレも点滴と一緒に入ります。しかも痛い。留置針が血管に上手く入っていれば全然痛くありません。ですが、術者との相性もあるらしく、痛い時は何もしてなくても痛いのです。(あんまり痛いときは我慢しないでやり直してもらいましょう)


 ウテメリンは高血糖になることもあるようですが、わたしはセーフだったみたい。一度だけ尿糖が±になってましたが、+になったことはありません。

 とはいえ、+になっているときは、かなりの高血糖です。と、言いつつ、-でも妊娠糖尿病になる方もいるんだとか。


 それから、おりものが増えたと思ったら細菌が出てました。切迫はこれのせいかも、とのこと。感染すると、お腹が張ったり頚管が縮んだり、放っておくと流・早産が起こったりするとんでもない奴らしいです。

 決して不潔にしていたからというわけではなく、妊娠していると免疫力が落ちるから感染しやすくなるんだとか。わたしはつわりで本当に食べられない期間が長かったので、かなり不利な条件です。

 昔ならわからないうちに感染して、進んでいたのだろうなと思うと恐ろしい。わたしも気づいてなかった。お腹の張りはそう大層なものではなかったようですが、やっぱり入院していなければ危なかったのかもしれません。

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