人工受精

 タイミング法で一度妊娠したもののすぐに流れ、その後三ヶ月だめだったので人工受精へステップアップすることになりました。


 排卵前に一度受診し、朝一番に夫の精液を専用のカップに取ります。そして、それを持って朝一番で受診します。 


 ここから余談。

 この時、時々コンドームを使う方がいらっしゃるそうです。が、それはダメとのこと。コンドームには精子を殺したり、弱らせたりする作用があるんだとか。

 必ず避妊出来るものではないとはいえ、それでも出来てしまうことありますよね。それってすごい生命力なんだなあ、なんて思ったものです。


 冬だったので、病院までの道中(電車で15分くらい)はカップをコートの胸元に入れておきます。あまり冷えると精子が死ぬそうです。逆に、カイロで温めるとそれも暑すぎて死ぬそうです。一番いいのは人肌くらい。

 ちなみに、真夏なら鞄の中でも良い温度とのことでしたが、わたしはその時期治療をしてないので試したことはありません。

 クリニックに着いて受付を済ませると、直ぐにカップを培養士さんに預けます。精子を機械に通して洗浄し、活きの良い元気な精子だけをより分けるためです。


 またまた余談。

 受け渡した時の培養士さんが、一度目が女性の方、二度目が男性の方でした。

 このクリニックは院長も看護師さんもみんな女性で、男性はおそらくこの方だけでした。扱う物が際どいだけに、男性だと何だか気恥ずかしい気もしました……が、一瞬で吹き飛びました。

 何故ならその方、たぶんきれいなお兄さん。長い髪を低い位置で一つに纏めた、柔和な感じの方でした。

 例えるならば、フィギュアスケートのアメリカ代表ジェイソン=ブラウン選手。雰囲気がよく似てた。この選手はいわゆるオネエみたいですね。笑顔のかわいい方です。

  こういう場だからか、普通の男性よりもなんだかほっとしました。


 洗浄は一時間ほどかかりました。その間クリニックで待っていてもいいし、外で時間を潰してもいい。

 寒かったし特に用事もなかったので、わたしはクリニックで過ごしていました。そこに居れば、準備が出来次第すぐに呼んで貰えますしね。

 施術は一瞬です。針のない注射器で精子を直接子宮に注ぎます。一瞬だけ、ほんのちょっと痛いですが本当に一瞬なので特に辛いことはありませんでした。

 同時に排卵促進剤やルトラールでコントロールし、受精を期待して待つ。こんな具合です。

 この結果を待つ時間がなんとももどかしいわけです。いちいち一喜一憂してしまいます。

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