不妊治療
不妊治療開始
妊治療を始めるにあたり、様々な検査をします。
全身的な感染症の有無、子宮の造影検査、フーナーテスト(体の中で精子を殺す物質が出ていないかどうか)、卵巣年齢、血液型など。これらを初めのひと月をかけて検査していきます。
検査が終わるまではたびたび足を運ぶことになりましたが、終わると排卵前後だけの通院となりました。もちろん基礎体温は毎朝計って、その医院で用意されている基礎体温ノートに記録します。確かこれくらいだったかな?
他には、夫の精液の検査と血液検査があったかと思います。
検査の結果、わたしの生殖機能については問題ありませんでした。
が、しかし。卵巣年齢が実年齢よりもだいぶ高かったので、悠長なことはできません。当時30歳になったばかりでしたが、卵巣年齢は37歳。つまり、残りの卵子の数が少ないということです。
一生のうちに持っている卵子の数は、生まれつき決まっているとのこと。排卵する度に減るばかりで、増えることはない=もう時間がない。治療を急いだ方がいいということになりました。
一方、夫の結果。彼も機能には問題なし。精子の運動率は良いようでしたが、その数がちょっと少なかったそうです。その時は困ったなと二人とも思いましたが、後から思えば体調とか食べ物などて多少は左右されたように思います。
その月からタイミング法を始めました。それで三、四ヶ月様子を見て、ダメならすぐに人口受精に切り替える計画でした。
そして、ずっと気にしていた生理周期。これはやはり問題ありとのこと。その頃は、排卵から生理が始まるまでが10日ほどしかありませんでした。けれど、せめて12日くらいはないとなかなか妊娠にくいんだとか。
仮に妊娠したとしても、卵が着床出来るくらいまで育たないうちに生理で流れてしまう確率が高いそうです。
それでは意味がないので、ルトラールというホルモン剤の一つを処方されました。排卵から生理開始までの期間を数日延ばす作用があります。これは割に軽い薬だそうですが、それでも時々熱っぽくなって身体がだるくなる事がありました。因みに、排卵前に飲んでしまうと必ず生理が来る薬でもあるそうです。
治療を開始したその月にすぐ妊娠しました。けれど、妊娠検査薬に反応はあるものの、茶色いちょろちょろとした出血が続きました。
一週間ほど続いた頃には、少しずつ血の量が増えていました。そして、一週間を2日ほど越えた頃、ついに赤い血に変わります。だんだん体調が悪くなり、腰とお腹が激しく痛むようになりました。
一応病院には連絡しましたが、様子を見るしかないので、翌週の予約の日の来院で良いと言われました。
この時は電話しながらパニックでした。何で様子見なの? と。
今思えば、この時既に流産が始まっていたのでしょうね。その時は考えもしなかったけれど、こんな初期の流産を止める手だてはありません。仮に無理やり止めたとしてもたぶんもう育たないし、仮になんとか生まれても自力で生きてはいけないでしょう。だから、様子見なのです。
ついに起きていられないくらいになり、数日は寝て過ごしました。その頃には生理くらいの出血になっていて、腰もお腹も激痛でした。
科学的流産は重めの生理痛と聞いたことがありましたが、そんなどころではないくらい痛かったです。明らかな異変です、本当に。
ピークを迎える前日の朝、目玉焼きを食べると気分が悪くなりました。つわりだったのかもしれません。でも、結局それきりでした。その日の夜、小さな血の塊が出た瞬間から急に楽になったことを覚えています。
まだ痛みや出血は続くものの、それからの痛みや身体のだるさの感覚が明らかに変わりました。
その塊が何だったかは分かりませんが、たぶんあの時あたりで流れたんだろうなと思っています。
そして、受診の日。その頃には痛みも出血もほぼなくなっていました。エコーで診てもらいましたが、胎嚢は確認できず。もちろん子宮も厚みがなくぺったんこ。完全流産か、もしかしたら子宮外妊娠のどちらかでしょうとのことでした。
念の為、採血をして妊娠反応がないかを調べ、翌週結果を聞きに来ることになりました。
前述の通り、おそらく完全流産だろうなとは思いましたが、子宮外妊娠なんて言われると急に不安になります。帰りに近くのスーパーに寄って妊娠検査薬を買い、そこのトイレで直ぐに試しました。
時期的にも、もしも妊娠反応があるはずならくっきり陽性が出るだろうと思ったからです。(説明書によると、子宮外妊娠ではまれに陽性でも反応しないことがあるとは書いてありましたが)
ちゃんと陰性でした。根拠になるかどうかはともかく、安心材料が欲しかったのです。
翌週結果が出て、完全流産が確定しました。今回は手術しなくて良いので、それは救いでした。でも、二回も連続で流産したことになんとも言えない気分でした。
胎嚢確認前の科学的流産なので、厳密には流産のうちには入らないそうです。でも、流産は流産。決していい気はしません。科学が発達して、知らずにすんだかも知れなかったことを知ってしまった、ということらしいですね。
ところで、この科学的流産は気付かない方もいるらしいですが、本当なの?? これも個人差の範囲なのでしょうか。わたしはつくづく妊娠に向かないのだな、なんて思った次第です。
その後の3ヶ月はタイミング法とルトラール服用と排卵促進剤の注射で治療しましたが、授かりませんでした。当初の予定通り、人口受精にステップアップすることになります。その間、妊婦さんや赤ちゃんを見かける度にモヤモヤが募り、精神的に大変辛かった。
友人の妊娠・出産報告も然り。なんでそんなに簡単にできるの??? と、そればかりでした。
ストレスが一番不妊に良くないとは言いますが、今思えばそれはやはり本当だと思います。本人の努力でどうなるものでもないので、よけい深刻になるのです。
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