前世と現世と地獄を巡り、運命を織る蝶と人々

現代に現れた奇病、地獄での邂逅、過去の苦難、そして再び結ばれる縁。なんと豊かで広がりを持った物語だと驚嘆し、一体どこへ連れて行かれるのかと心が躍りました。
物語に深みが増すのが第15話。それまでは「奇病VS人」ぐらいの認識でしたが、ここから時代背景が描かれ、そこに付随する人のしがらみ、業や情念が織り込まれ、一気に引き込まれました。
蝶は確かに忌まわしい存在かもしれない。けれど、同時に憎みきれない愛嬌のようなものもある(といえば、カンナに怒られるでしょうか)。この辺り、作者の懐の広さを感じさせます。そうそう、この「カンナ」のキャラクターが良い意味で歪んでいて、個人的に大変好みでした。
追記:作者様はジャンルについて検討されているようでしたが……なんでしょうね。広がりを感じさせる作品なので逆に限定するのが難しく、悩ましい。

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