概要
《カドカワBOOKSより大幅改善した書籍版(第一部)が発売中!》
遠い遠い未来。けれど浄土は更に遠く、滅びは遥かに近い黄昏の時代。
楽園は潰え、地には無人機械が蠢く末法の世。
それでも、人は生きている。
アフター徳カリプス14年。徳エネルギー文明の崩壊を辛くも生き延びた人類は、即身仏を漁り僅かな徳エネルギーで糊口を凌ぐ。これはそんな、徳無き荒野を生きる人々の物語である。
※Twitter(@tsbslion)版を推敲して投稿したものです。
※第1回カクヨムWeb小説特別賞受賞。
※Twitter版更新優先のため、カクヨム版の更新が遅れる場合があります。最新話はTwitterでお楽しみください。
※外伝等は別ページで。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!この世では諸行無常を忘れたものから滅びていく。
最終節「黄昏のブッシャリオン」直前まで読了。
白毫から放たれるビームによって全人類を強制成仏させようと迫りくる金彩の二足歩行大仏。大仏の群れに囲まれた人類はもはや滅亡寸前であった。だが、成仏し損ねた"不徳者"であるガンジーとクーカイが、人類の敵である"得度兵器"に立ち向かう、というパッケージングがされた書籍版第一巻であったが……。
実は、それ以降の展開は彼らの視点を離れて、クローン聖者である空海達や徳エネルギー技術の専門家『マロ』へ移り、想定していたよりも遥かに高く広い位置から、セカンド徳カリプス寸前の日本列島を見下ろすことになる。
読者の長い旅路が始まった。
いつだって最善手は一歩届…続きを読む - ★★★ Excellent!!!徳エネルギーは劇仏です。使用上の注意をよく読み用法用量を正しく守って
マニ車を回せば徳が積める。
ならば徳エネルギーを注入すればマニ車が回りそのシステムを取り込んだギアなどの機構を組みあわせて作られた機械を用いて食糧生産や公共事業など世のため人のための仕事をすれば更に徳が積まれることになり一つの永久機関が此処に構築される。
とても合理的で、今までありそうでなかった世界観…だかしかし。
マニ車を回せば徳は積めるのは真だけど徳エネルギーを注入すればマニ車が回る命題は逆か或いは裏であり必ずしも真とは限らない。
そもそもマニ車は逆回転してるから当然ながら何らかのリスクなどの裏の面はあるわけで…
徳力学も熱力学第二法則を打ち破れる訳ではない。
憎い!私は熱力学第二…続きを読む - ★★★ Excellent!!!新感覚和風ポストアポカリプス
ところどころ見られる既存の単語の無理なカタカナ語化だとか、日本文化の意図的な誤解釈に基づく世界観などは有名な某ネット小説を思い起こさせるものがある。
しかしながら、所詮は先駆者の粗製な模造品であると決め付けて本作を読み始めると、その偏見は良い方向で裏切られることは間違いない。
文明の崩壊と黄昏の時代で細々と生きる人々、世界の継承権を争う得体の知れない超常の勢力たち、そして人類の再興を目指す者、ポストアポカリプスものの面白さの全てを余す事無く詰め込んだある意味"教科書的"とも言える王道の世界観。そしてその世界でそれぞれの意思や背景を抱え込んで生きる人々の群像劇は「早く続きを」と思わず言わせるだ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!仏の教えとアポカリプスが交わるとき、世界は新しいパンクを見つける。
『徳エネルギー』の発展によって、これまでにない発展を遂げた人類社会。
だが『徳カリプス』が起こったことにより人類文明は崩壊。
生き残った人々は徳エネルギーを求め即身仏を漁って暮らしていた……。
まるで変な薬をキメてしまったかのようなあらすじ紹介だが、全て事実である。
こうした設定が尖っている作品は、尖っている分「出落ち」っぽくなりがちなのだが、そんなことはないのがこの作品である。
「第一部」では荒廃した都市で、採掘屋を営むガンジーとクーカイが物語を牽引していくが、「第二部」では、寺院都市にて得度兵器と戦う覚醒者・肆捌空海が中心人物になったりと、「部」が切り替わるごとに主人公と舞台が移り…続きを読む - ★★★ Excellent!!!救われないから、生きていける。
世界の有り様を買えた「徳エネルギー」
人はそのエネルギーを使い、無尽蔵とも言えるほどに成長し続けた。
しかし、世界はその徳の力で滅びた。強制的に人を昇天(解脱)してしまうほどに徳が集まってしまったのだ。
そして世界は荒廃し、その更に後からこの物語は始まる。
非常に長い話にはなるが、キッチリと主人公やその目線が分かりとても読みやすい。そして最初は「徳パンク」なんてネタなのだろうと思っていたが、思った以上に世界についての考察や徳エネルギー、得度兵器(徳エネルギーを原動力とする兵器)についてが書かれていた。未知とも言える「徳」と言う物を様々な視点から描く作品。
一度少しだけでもいいので、時間の…続きを読む