この世では諸行無常を忘れたものから滅びていく。

最終節「黄昏のブッシャリオン」直前まで読了。

白毫から放たれるビームによって全人類を強制成仏させようと迫りくる金彩の二足歩行大仏。大仏の群れに囲まれた人類はもはや滅亡寸前であった。だが、成仏し損ねた"不徳者"であるガンジーとクーカイが、人類の敵である"得度兵器"に立ち向かう、というパッケージングがされた書籍版第一巻であったが……。

実は、それ以降の展開は彼らの視点を離れて、クローン聖者である空海達や徳エネルギー技術の専門家『マロ』へ移り、想定していたよりも遥かに高く広い位置から、セカンド徳カリプス寸前の日本列島を見下ろすことになる。

読者の長い旅路が始まった。
いつだって最善手は一歩届かず、人は破れ、仏は砕ける。
一種の迷走にも思える長い長いお遍路の果てに読者が到達した場面は、”人類”も”得度兵器”も”企業”も生存競争の中で「足掻いている」ということであった。

生きとし生けるものは、常に何かに追い立てられている。この世では諸行無常を忘れたものから滅びていく。生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めにくらく、死に死に死に死んで死の終りにくらし。そして、手のひらに残ったものは……。

この物語は本当に面白い。
最終節の展開、そしてグレートな完結を期待しています。

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