部屋に篭ったままの娘に向けて、ドアの外から呼びかける父親の物語。
心温まる家族ものの現代ドラマです。
難しい年頃の娘に対しての、父親からの呼びかけ。娘はどうやら学校に通えなくなっているようなのですけれど、それはさておきしっかり向き合って話をしたいという、その父親の気持ちが胸を打ちます。
不登校そのものについては言わないし、頭ごなしな物言いにならないよう気を遣っているのもわかって、とても優しいお父さんだと感じられるところが素敵。
あるいは娘から見ればそれも気に入らなかったりするのかもしれないですけど、少なくともそれを第三者の目線で読んでいる自分としては、ほっこり胸の温まるお話です。
……なのですけれど。
それはそれとして、なんかもうだんだんおかしなことになっていくのがたまりません。
心温まるホームドラマから一転、思わず笑わされてしまうコメディ作品。
特に中盤以降の展開がもう最高でした。
あの手この手で頑張るお父さんも楽しいのですけれど、娘さんがまた素敵で。
篭ったままの彼女の内心は、もちろんただ想像するより他にないのものの、でも終盤あたりのいくつかのリアクションから垣間見える、その性格がもう本当に楽しくって大好き。
ホッと胸の温まる優しい物語でありながら、同時にスカッと気持ちよく笑える、とても前向きなコメディでした。