春海水亭

作品のために命を削るというのは割と聞く機会のある言葉だが、このエッセイは主に実体験を元に書かれているため、下手をすれば死ぬレベルの怪我や病気、自己治療で削られた命がエッセイの形にな…続きを読む

一見、よくある国語の問題文から物語は始まる。 そして、その問題文こそが読者を奇妙な世界に誘う異界への扉になっているのである。 この問題に対する作中での正解を飲み込めない――そういう…続きを読む

　特に強調するでもなく、当たり前のように変なことを言ってくる作品が好きです。 　その点で言えばこの作品は全体を通して普通の青春小説のようであるし、実際、死を知る根深き者（無色3黒…続きを読む

　レビュワー泣かせの作品である。 　もっとも刺激的な楽しみ方は私のように偶然発見し、タイトルの印象だけで本文を読み、そして突っ込む側に回ることだからだ。 　タイトルで敬遠されそうな…続きを読む

誰でも一度聞いたことがあるだろう「食べ物で遊ぶな」という言葉を。 明確な宗教の無い日本国において、それは数少ない共有された禁忌であるかもしれない。 だが、唯一すたみな太郎においては…続きを読む

最強の一対多を書いた一章。 様々な思惑が入り乱れる多対多を書いた二章。を読了し、 最終決戦の予感を漂わせる三章に突入した所で、レビューを書く。 本作品はタグでも書かれているように…続きを読む

数字を3までしか数えられない軍VS数字を4まで数えられる軍の戦い。 きっちりとした知識に基づく、それはそれとして3までしか数えられないのだからこうなるという小ネタが心地良く、最後の…続きを読む

日本人なら誰しもが考える 宮本武蔵対佐々木小次郎の術理を身に着けたゴリラ。 しかし、想像力の限界が宮本武蔵とゴリラの戦いの決着へと至ることを阻み、 その妄想は物語にならない水子でし…続きを読む

どう見ても、出落ちのタイトルである。 すわ、ギャグかと思い読んでみれば圧倒的な筆力で描かれた羆の暴威と どこまでも優しいプーさんの姿があった。 改めて元のページに戻れば ――ぼくは…続きを読む

個人的な考えを述べるならば、百合は世界が閉じていくほどに良いと思う。 様々な人間が存在しながらも、最終的に世界を構成する要素は二人、そういうものが良い。 さて、ネタバレにならないよ…続きを読む

人によってそれぞれ正義は異なる、宗教の違い、倫理観の違い、それぞれがそれぞれの立場を持つ限り、世界から戦争が消えることはないだろう。 だが、この世界にも数は少ないが絶対的な正義とい…続きを読む

感情の爆発とどうしようもないぐらいに泣きたくなりそうな物語の結末が凄まじい。二人だけの世界という百合の究極を抑えながら、そこに愛情は書かれず、それでもどうしようもない感情が存在する…続きを読む

子供の視点で進む物語が、子供視点のままにがらりと世界を変える様がお見事。 転換点である「数ｋｇ程度」という言葉の使い方が本当に達者で、 子供視点で書かれる異様に具体的な精度で読者を…続きを読む

#殺伐感情戦線　参加作品の中ではかなりライトな方だと思われます。 舞台は日常の中の優しい部分であり、きっと彼女の未来はハッピーエンドでしょう。 しかし、殺伐百合を求める人間が読みた…続きを読む

そもそも殺伐百合という時点でインモラルな作品が集まりそうなものだが、 その中でも特段にインモラルな作品だ。 この作品で描かれるどこまでも一方的な関係性はいつか破滅しそうで、 それで…続きを読む

百合の魅力は個人的には二人だけの世界の構築にあると考えている。 恋人という枠組みの構築であったり、誰にも言えない秘密の共有であったり、 あるいは世界が滅亡してこの世界に彼女と二人ぼ…続きを読む

情報社会と呼ばれ始めてから何年が経過したことでしょう。 世界には様々な情報が溢れ、本当に信じられるものというのは数少ないです。 情報の選択を間違えれば、深い落とし穴に落ちかねない今…続きを読む

殺伐百合企画の中でもトップクラスに可愛い話である。 屈折した感情、二人だけが共有する秘密と殺伐なポイントを抑えつつも、 そこで出来上がったのは何時までも続くであろう二人の腐れ縁だ。…続きを読む