学生たちの異能力殺し合いバトル、ジャンルとしてはまあそう目新しいものではなかったけれど、すごい面白かった…
異能者のお話なのでいろんな異能者がいるわけで
ただ異能の威力が最強に強いやばいやつ、
異能と関係ない能力がやばいのに無敵の異能ももってるやつ、
頭が悪いけどそれを差し引いても反則的な異能を持ってるやつ、
異能を使わせてもらえずあっさり退場する四天王の最後の一人
そんな異能者たちの戦いのでも自分は、治癒能力者の女の子がすごく印象的でした
対象が誰であろうと治せるなら治すのだと、文字通り自らの血を分け与える癒し手。
華々しい殲滅火力や華麗な剣技よりもひときわ輝いて見えました、かっこよかった
あと三か月半毎日定期更新されて凄く読みやすかったです
〈学園〉と呼ばれる、超常の力を持つ異能者たちを集め、育てるための養成施設。
そこを「卒業」するためには、1000人以上もの学生同士で繰り広げられる殺し合いで生き残らなければならない――。
かの『バトルロワイヤル』に異能バトルのエッセンスを加えたようなコンセプト。読む前からわくわくするが、読めば文句なしに面白い。
個性豊かな能力が飛び交う戦場。
お馴染みの者からオリジナリティあふれる異能まで多種多様に取り揃えている。
様々な勢力が対立し、時に手を組み、あるいは互いに利用し、勝利を目指していく姿は手に汗を握る。
本作の魅力はたくさんあるが、その中でも特に推したい部分としては、「登場するキャラが戦いに対して非常に真摯である」というものがある。
例えばいわゆる「舐めプ」をしたりだとか、「なんとなくちょっかいをかける」とか「特に理由なく敵を見逃す」だとか「自分の能力を親切に説明する」だとか、そういったことをまずしない。(するやつは長生きできない)
それぞれの陣営が、勝利のために最善手を尽くす。漫然と戦いを挑むのではなく、相手の能力を調べ、対策を練り、罠を張る。
そういった、いわば「異能バトルリテラシー」ともいえるものの高さも、この作品の非常に大きな魅力のひとつであると私は考える。
あと銃が強いんですよ。
割と能力バトルだと普通に弾かれたり避けられたり斬られたり止められたり斜めの角度で逸らされたりして、「はい! 銃は雑魚! そんなのに頼る能力者はいないよ?(笑)」みたいな扱いを受けがちな銃がしっかりと強武器扱いされているのも個人的にはポイント高いです。
銃が強い能力バトルを読みたい人にもおすすめです。
他にも、少しずつ明かされていく世界観だとか、後半に行くにつれて深みを増していく人間ドラマだとか、とにかくおすすめポイントが沢山ある小説ですので、ぜひみなさん読んでみてください。おもしろいので。
読み始めたら最後まで止まらないと思います。
最強の一対多を書いた一章。
様々な思惑が入り乱れる多対多を書いた二章。を読了し、
最終決戦の予感を漂わせる三章に突入した所で、レビューを書く。
本作品はタグでも書かれているように、いわゆる異能バトルものである。
ただし、異能を作品の根幹に据えつつも、
戦闘になれば異能は手段の一つに過ぎない。
すなわち、復数人は強く、銃が強く、不意打ちが強く、情報で優位を行くものは強い。
そして、一周するようであるが異能が強い。
数で優位に立ち、相手の能力を知り、罠を仕掛け、
あらゆる面で主人公側が優位に立ちながらも、第一章のボスである的場塞は強い。
何一つとして褒められるような美点を持たないが、
ただ強力な異能を持っているというだけで、
第二章のボスである大島ざきりは強い。
これから読む人のために異能に関しては明言しないが、
あらゆる手段が用いられるが故に、
一周して異能の強大さを書く筆力は見事である。
これからの戦いを楽しみに、一度ここで筆を置く。