行きは1人、帰りは1人と0人

個人的な考えを述べるならば、百合は世界が閉じていくほどに良いと思う。
様々な人間が存在しながらも、最終的に世界を構成する要素は二人、そういうものが良い。
さて、ネタバレにならないように紹介すると主人公はビッチである。
ただし性に対して奔放というわけではない。関係性に対して奔放であるのだ。
他者との関係性を生み出しては、放棄し、そしてまた別の他者との関係性を構成しようとする。
この物語は言うならば百合小説の第一話であり、
しかし永久に始まらないであろう最終話でもある。
それが何を意味するかはただ読めばわかるとのみ言わせていただこう。
唯一言えることは、彼女は夜魔であり、彼女と出会う者もまた夜魔なのである。