伊月 杏

たまたま別作品を読ませていただいてからこの作品にたどり着きました。こんな作品にずっと会いたかったかもしれない。優しくて楽しくて、人間と猫は違う生き物のはずなのに自分も猫になったよう…続きを読む

ひんやりとした冬の夜が似合う素晴らしい純文学です。美しく色彩感覚豊かな地の文、テンポよく生身に入り込むような台詞回し、温度を感じる情景描写。それは書き手として「この文章を先に使われ…続きを読む

甘くて優しい物語。それぞれに生活や日々や責任や立場があり、心が疲れて、逃げたくなって、どうしようもなくつらいときにこんな甘味を味わえたなら、心に淀んだものもアフォガートのアイスみた…続きを読む

私が以前聞いた言葉で「男はかつてのエルサレム」というものがあり、それがとてもしっくりきます。たとえ男尊女卑の文化で育った人が減っても、たとえ女性が社会進出をどんどん進めても、LGB…続きを読む

地の文やセリフに入る合いの手が文章を崩さず、それでいてしつこすぎず軽快で面白いので笑ってしまいました。現代ならではの言葉遣いで交わされるコントのような描写、とても好きです。

野球の事はほとんど見た事がありません。野球中継なら時々見た事がある程度です。 地の文はテンポよく、まるで実況者が話してくれているような軽快さ。 そしてプレイ中の心理描写もしっかり…続きを読む

西洋のスラムではないけれど少し寂れた街、もしくは日本の太陽の差し込まない路地。そんな雰囲気の作品です。言葉選びはとても美しくて、無駄に難しいこともないけれど普段簡単な言葉に甘えてい…続きを読む

コロナ禍で舞台関係の職を失いアイドルのメイク担当につく主人公はその現状にちいさな違和感を募らせていく。大人の打算。飾られることで下地に隠されてしまう本人の心と自信。現実の理不尽さ。…続きを読む

表現は回によって様様。だけど気持ちを向けたその相手を思う心はきっと今も変わらない。作者様の意図する僕（または私）の彼。読み手が過去を思い返すことで生まれる情景。これ以上のことはいら…続きを読む

何かがおかしい いつからだ？ いや最初からおかしかった そんな気持ちになる一作です。どうしてこんなことになってしまったのか……それなのに途中で読むのを辞められない謎の中毒性があり…続きを読む

たった一文ちょろまかしただけなのに
こんなことになってしまうなんて…

ずっと読ませていただいていました。言葉選びやその世界観において語られる哀愁、喜びの表現が好きでした。他の作品の詩集も読ませていただきます！

転生というジャンルにおいてこれほど特異な作品はないと思う。何度も読み返したくなる良作です。人生について、命について、生き様について、哲学に基づき考える。事実をもとに思考する。かと言…続きを読む

人のデータがチップ化され、普通の人間でもそれは腕に埋められている。いつの時代か、もしかしたらすぐにでもくるのではないか。そんなふうに思ってしまうような時代の話。人の生死が、戦争が身…続きを読む

台詞回しや表現方法、あべこべなように感じる部分にも意義がありました。会話のやりとりはコメディ舞台に合いそうな感じがします。男の子がすきそうなロボアニ感もありつつ、大人にはどこか懐か…続きを読む

小説は自らの人生と等しい……私達物書きは、筆を持ち生きていくと決めてからもうずっと小説に人生を与え、小説からは人生の糧を与えられ。ある意味、持ちつ持たれつの関係にも近いのかもしれま…続きを読む

いわゆる3つの願いを叶えてくれるランプの魔人というと想像するのは、願いを叶える以外にも色々なことを話してくれたり、共に居てくれる存在ですが、この叶え人はその余地がない。突然矢継ぎ早…続きを読む

お話の中で、情景描写がとても美しく惹かれました。自然の景色、そよぐ風の伊吹、世界を構成する色。リアルであってリアルでない、そんな雰囲気の描写が大好きです。