すらかき飄乎

　2007年9月、私立探偵・榊原恵一は奈良の大和大学歴史学教授・黒羽要五郎に呼び出され、勝手についてきた自称弟子の深町瑞穂共々奈良の地に足を踏み入れる。一ヶ月前、明日香村近くの原…

1話完結、どこから読んでもだいじょうぶ。 手のひらサイズのすこしふしぎで、ほんのすこしだけこわいかもしれないおはなしたち。 あなたの心にハートフル（hurtful）なおはなした…

「青い鳥を探せ」――生みの博士にそう命じられ、外へ放り出された生体ヒューマノイド。暴走ドローンが人類を攻撃し続ける未来世界で見つかる「青い鳥」とは？ 柴田恭太朗様の自主企画【三題…

ある夏の日、千晴はかつて訪れた滝の近くで父との過去に思いをはせる。 香鳴裕人様（@ayam4）主催の自主企画【[第3期] 同題異話SR -August- 『太陽の音を忘れない』…

高校三年生とショッピングモールのお話です。

ショッピングモール伝奇に寄せて書きました　一応百合ですが死人は出ます

仕事終わりの帰り道。いつものように恋人と電話していた。

兄が語る、死んでしまった弟の話。

近頃、妙な夢を見る。 ある立派な造りの日本家屋に招かれている夢である。その家がどこの誰の家であるのか、私は知らない。しかし、夢の中の私は知っていて、何かをじっと待っている。

男子中学生ふたりの何も起こせない話

　ガラク国の大使が私の住む街に来て講演会を開く。ガラク語が少しできるというだけで、私は上司から接待役を任された。私は講演会場の僧院へ行き、下見をし、そして講演会本番の日を迎えた。…

八月に入り、娘が「部屋から音がする」と言い出した。初めは気のせいだとか、外の音を聞いているのだろうと適当にあしらっていたが、あまりにしつこいので仕方なく音の正体を探る事にした。そ…

シャイな女の子マユは、臨海学校で、憧れの男の子ツバサ君と、同じグループになれた事に胸を弾ませる。 だが肝試しで禁断の『入らずの社』に触れた事により、空前の恐怖に、マユは襲われる事…

20世紀末、一年だけフランスに行ったときの体験をもとに小説として再構成してみることにしました。日記形式です。

「偽教授茶房杯」によせて書きました。

熱にうかされた日にメモしていた言葉から。 何が言いたいのかよくわからない不思議世界と虚無。

どうしてだろう？ どうしてこんなに離れがたく思うのだろう なんの変哲もない、ビジネスホテルだというのに―― ５分で読めるショートショート 隙間時間にどうぞ

蒸し暑い警備室で、主人公はだらだらと、熱でぼやけた頭を動かそうとしていると。 モニターをじっと見ていた相棒が、声をあげた。 柴田恭太朗様主催の『カクヨムに三題噺を復活させよう！…

＊エブリスタでも掲載中です。

明治の終わりから大正の初めまで牢で過ごした彫り師の男が、自分が背に大作を施した男を回想する話。 草森ゆきさんの死別ブロマンス企画に寄せます。 原稿以外してなかったのでリハビリに…

『死別ブロマンスを書いてほしい』によせて書きました。二作目です。坊っちゃんと使用人の話。

博打で金を擦った男が迷い込んだ小道で見たのは顔のない奇妙な布袋の像だった。

　金魚球、 　という書き方は、当て字なのだと教わったのは、十一のころ、お盆祭りの夜でした。 ―― やはりこれは、金魚球、と書くのが正しいのではありませんか。 ―― どうして禁形魂…

研究者の男が唯一いた友達を研究室に呼び出してお話しする話です。

愛する人間には、他者が必要だった。

どこを見ても同じ景色にしか見えない。斜面を下っても崖を登っても、獣道を辿ってみても一向に山道に戻れない…… 山道に積み上げられていた小石。あれを崩しさえしなければ……

集団下校中の生徒が突然姿を消す事件が発生した 警察の捜索でも見つからず、話に上がるのは 「似たような服装の子供を見た」 という噂話だけ。 そして一年が経ち、また集団下校の日がやっ…

限定近況ノートのサルベージSS 若い男を一週間だけ拾った話

兄貴に毎日ボコられている少年の話です

　百物語の三十三番目。二回生の相川は語り出す。「私が持ってきたお話は、中学生のときに、信じられないものを吐いたときのことです」

　百物語の五十三番目。二回生の交野が不安げに語り出す。「この件が解決しなかったら、俺たぶん死ぬと思うんですけど」

　もとは、とある「雨音」がお題の短編コンテスト用に書いたもの。 　お題からなんとなくイメージが浮かんだので、「ほんとにあった怖い話」的文体の実話怪談風ホラー短編です。 　ボリュー…

良い子にしていないと夕暮れがやって来て、私を飲み込んでしまう──祖母が私を叱る時、いつもそう言っていた。両親や祖母に会えなくなってしまう事が怖くて、幼い私はその言葉を聞くといつも…

交通事故に遭った“俺”の目前に現れたのは、ドライブスルーだった。 　　　　　 【第46回「2000文字以内でお題に挑戦！」企画】に寄せて書きました。 https://kakuyo…

素晴らしい許嫁との婚礼を控えながら、その未来に怖れを感じていることを自覚した主人公。 その前に現れた謎の子供は、未来を迂回する「近道」を差し出した。 クロノヒョウ様のお題『人生…

七夕の雨でガッカリしている人々がいる一方、それを心から喜ぶ男がおりましたとさ。

妖とにんげんの、おおいくさ。 その果てに傷つき、捕えられたひとりの武士。 命を落としかけたかれは、妖の屋敷で目を覚ます。 ……くふふ。気がついたようじゃの。 端正なおんなの姿をと…

美容室にて。 掌編なので、あらすじは省略。 2010年くらいに書いた掌編。 別の名前で創作していた時期の作品です。 元のタイトルからは変えました。 改稿し、元記事は削除してます…

短歌です。ホラーっぽいのならできるかもと思ってやってみました。よろしくお願いします。

先生の助手として身の周りの世話をしている私は、あるとき、自分の指先に糸状の汚れがついていることに気がついた。 水で洗っても爪で引っ掻いても取れない汚れだったので先生に相談すると、…

情けない男が吐くだけの話。

小学校の時に流行った怖い噂。 一見するとありふれた「学校の怪談」だが、今思い返せば奇妙な点がいくつもあった。

きれいにリフォームされた、祖母の家。 そこに一つだけ、手を触れられていない場所がありました。 柴田恭太朗様主催の『カクヨムに三題噺を復活させよう！プロジェクト　#20』参加作品…

私は王が若りし頃、『黄金の鳥籠』に侍っていた。無能な王、だが王は三日月の夕刻に海峡へ薔薇を投げる。 ［参考］ 『千夜一夜物語』説話集 『ルバイヤート』オマル・ハイヤーム著、小川…

性癖：川

祖母と“まる”と私のお話。

「[第3期] 同題異話SR -June- 『背徳を浴びる鳥のうた』」によせて書きました。滑り込みですみません！

　ひとりぼっちのエリザ。一回目のエリザ。 　死なない命を持ちながら死を拒む彼女を、僕たちは、異端のエリザと呼んだ。 亜未田久志さんの自主企画参加作品です。 ↓ https://…