「薄い壁」を含む小説

　高校に掛け持ちアルバイト、帰宅時間は0時過ぎ。そんな生活リズム限界高校生——高霜大海は大きな音を出して床に倒れる。遠のく意識の中、大海は「あぁ、こんなことで死ぬんだったらおっぱ…

　若者がよく利用するワンルームのアパート。 　壁は薄く、隣人の生活音も話し声も鮮明に聞こえてしまう。 　だけど文句を言うことはなかった。だってお互い様だろうし。 　隣人は役者の…

ブラック会社に勤める牧野　美和子（まきの　みわこ）は深夜に家に帰れば会社の愚痴ばかり、そんな彼女の部屋に隣人からクレームが入る。けどそれは本来ならばあり得ないクレームであった。

「やましくない話なら、ここでもできるでしょ」部屋に上がり込もうとする男をけん制した、はずだったのに…。 単独でもお楽しみいただける、「お茶漬け恋模様」外伝です。(3/6)

世界的パンデミックを起こした新型コロナウィルス。それによって、安田康夫（ヤスダヤスオ）は職を失った。突然変わってしまった世界に、何の準備もしておらず、置いていかれ、貧困に喘いでい…

　木造築60年(共同トイレ)家賃5.2〜5.4万のアパートかど部屋に住む、絶世の美女・天宮陽奈は、容姿端麗かつ絶対的な歌声を持つ歌手になりたいと夢見ていた。容姿は完璧でありながら…

※ケッチャムの小説「隣の家の少女」モチーフに、２０２０年に起きた某シェアハウスに関する事件を小説にしてみました。 ある日、主人公は都会のタワーマンションに引っ越す。自分の部屋を…

日影《ひかげ》月斗《げっと》は二年前から家族になった『奏《かなで》』と言う愛犬が好き過ぎるあまり一日あたり100回は愛を囁いている。 名前の通り奏はメスである。 今日もまた奏…

フリーターの神山剣(かみやまけん)は、ある悩みを抱えていた。 それは────薄い壁越しから聞こえてくる溢れんばかりの好意の言葉だった。 だが、剣の答えは既に決まっていた。 …

人を好きになるのに、正しい理由なんてない。 顔がいいから、お金持ちだから、皆に人気があるから・・・ 人を好きになる理由なんて、どれも明確にしたら純粋には聞こえない。 それに、理由…

「俺に価値はあるのか」 彼は今日も神父に独白をする。 狭いの中、薄い壁一枚挟んで、涙と嘲笑が混在した。 「貴方々は、いつまで夢を見ているつもりでしょうか？」 無政府状態と…

中年タクシードライバー、増田の 部屋の隣に、大学生の鈴木芳が引っ越して来る。友人、恋人、家族ーー薄い壁の向こう側は、あまりにも眩しい。