「椅子 魔女」を含む小説

売れないミステリー作家のＦ先生のもとに届いた読者からの手紙には、ちょっと変わった謎や事件が記されていた。文通大好きのＦ先生は、一向に進まない新作の執筆から目をそらし、現実逃避の謎…

　 　こんにちは！　わたし、ナナっていうの。 　年は十三で、特技は魔法！数少ない魔法士のひとりなんだ～。すごいでしょ？ 　わたしの頭には『悪魔の角』ってよばれてる黒い角が生えて…

「あの子を見つけたとき、また面倒なことに巻き込まれたと思ったんだよ」 　魔女のおばあさんはふぅ、と息を吐く。荒々しい口調で言葉を続けた。 「人間なんて拾うもんじゃないね。ただ…

エアルは目の前にいる漆黒、大魔女リリーと対峙していた。 ここで私が引けば、今まで戦ってきた仲間の魔女たちの死になんの意味があったのか。 少し高い場所で、優雅に椅子に座っているリ…

電シャ 逃げる、私は逃げていた 鼻からは 私が先ほど、ぶつけた時に、血管でも切れたのだろう 呼吸の邪魔になるような 鼻血が、漏れだし 口に入り ぽたぽたと 顎から落ちるのを感…

神聖帝国アルミナは、科学技術の発展で成長を遂げた国である。 ただびとに魔術は扱えぬ。ゆえに人の力のみで強くなる。それを体現した大陸一の大帝国だ。 ゆえに、科学技術が発達した国だ…

　魔法を扱う異端を、穢れの意を込めて「魔導士」と呼ぶ世界。魔力を嗅ぎ取ることができる青年リュートはその能力を買われ、旅芸人ダレンの一座に道案内として編入される。正体不明のダレン一…

アイグマは腰を上げてから、木製の椅子から立ち上がると そのままリリネが座っている所まで行き、リリネにこう言うのです。

　私は梟である。名前は、ない方が自由に羽ばたけるだろうと瞳の魔女が言っていた。 　瞳の魔女の家からほど近い木に私は止まっている。出窓に置かれた花瓶越しに、宵色のローブに踝まで包ま…

ある冬の日に、圧政を敷いた王が弑逆された。 氷の魔女と称される冷徹な王女は、城の一角に隔離され、他国の兵士に見張られながら、過ごしている。 閉ざされた小さな部屋。 魔女の持ち物…

彼女は白い部屋に住んでいた。 壁も床も天井も。椅子もテーブルも。ピアノとその鍵盤も。窓ガラスさえ、白いすりガラスになっていた。 彼女の手足も真っ白だった。血の抜けたような、透き通…