「手の震え」を含む小説

そうだ、ドアを開けるときも蒸しタオルを掛けるときも、じじいの手は震えていた。カミソリを持つ手が震えないわけがない。俺は正直ブルッた。あの切れ味のいいカミソリが、これから喉元を滑る…

爆発物処理班の貝田は、爆発まで残り三分の時限爆弾の解除に、手が震えていた。切るべきコードは、赤か、青か？　だが、通信の指示は「両方同時に切れ」と言う。盛り上がらないなあ、と盛り下…

　小学を上がってから、中学に入って。進路を決める。高校に入って、自分を見出す。 　毎年の担任は俺に「そういうとこだぞ」と言って「変われよ。そろそろ」と続けた。 　俺はなんにも…

あの時、手を繋いでいたのが悪いと思うんだけどどうだろう。 これも君に言わせれば僕の……。 手は震えて真っ直ぐな線が引けない。定規どこだっけか。

電話をとろうとしたら…自分の手が震えていました。 自分の為に書いておこうと思います。 いつもとは違う、のほほんとしたお話ではないのであらかじめ書いておきますね。 みなさんも無理を…

兵士は銃を抱えてトラックの荷台に乗り込む。引き金を引いた手の震えは、すでに止まっていた。 これは、1人の兵士の物語。 何年も前に『戦争で死んだ兵士のこと』小泉吉宏著という絵本…

虚​空​に​突​き​出​さ​れ​た​手​が 震​え​て​い​た​。 こ​の​力​を​抜​け​ば​楽​に​な​れ​る​。 も​う​腕​は​限​界​だ​っ​た​。 月​の​明​る…

「好きだ！　俺と夫婦（めおと）になってくれ！」 時は平安。訳あって鬼も住んでいる山奥で暮らす更科姫。ある日そこへやってきた鬼討伐の若武者。物の怪たちの力を借りてその若武者を投げ飛…

君の心の隙間に、ぐぐっと入りこみたい。

中村凡太、彼は二十四歳の男性です。 何の理想も持たず時が流れるままに背丈を伸ばし、いい大人と呼ばれる頃には生活はすっかり荒んでいました。 計画もせずに仕事を辞め、都会へと引っ…

「魔王の……娘か！？くそっ！この悪魔めッ！そのまま瓦礫で潰れていれば良いものを！殺してやるッ！ここで根絶やしにしてやるぞッ！！」 　俺は咄嗟に腰に着けていた無骨なナイフを取り出…

十二月二十五日、クリスマス。 彼女とのデートを予定していた主人公、そらはなかなか来ない彼女を心配していた。 愛しくて仕方のない彼女のことを考えながら、彼はずっと彼女を待っていたが…

師である父と共に錬金術のお店を営むチコリは、ある朝、一枚の紙を手に震えていた。その手紙に書かれていたのは『しばらく旅に出るので店はよろしく by 父』という無責任極まりない一文。…

六絃琴。それはギターの和名である。 主人公の然はいつものライブで致命的なミスをしてしまう。 それがトラウマとなりピックを持つと手が震えてしまうようになってしまった。 しかしバンド…

　凄い発見をしてしまった。 　若い学者の手は震えている。 　それは、教授や先輩に虐げられて来た彼にとっての起死回生の切り札になり得るのかーー？ 　もし、人間にソースコードが存在…

「人を殺すのに躊躇いなんてない」男はそう言った。でもその男が唯一手が震えたのは……きっとその時だけだったにちがいない。

男は人生最大の決断を迫られていた。この決断が二人の今後を左右することを考えると、手の震えが止まらなくなる。「幸福」「成功」「安心」……ポジティブなイメージを必死に思い浮かべながら…