「岩田屋町」を含む小説

「遥、オレだ。あのな、遥。オレ、お前のことを――あ？　なんだ、いまの？」 　幼馴染の久我遥が生徒会長の倉田和仁と付き合いだした。 　そして、夏休みが始まろうとしていた。 　彼…

　2013年、夏。 「別に、俺が遅い訳じゃないんだよ。単純に、あの人の走りがやばすぎるだけだ。なんなんだよ、あれは」 　情熱乃風という走り屋集団を解散させた男、川島疾風。 　…

病院の前で倒れていたぼくは記憶を失っていた。 持ち物はロックの掛かった携帯電話。 「兄を探しているんです」 そう電話をかけてきたのは紗雪という女の子だった。 紗雪は死者が見え…

　物語に拳銃が登場した時、必ず発砲されなければならない。 　必然性とは、そういうものらしい。 　 　1話読み切りの掌編です。 　更新は不定期です。

　2013年、夏。 　川島疾風とその恋人、中谷優子が姿を消した。 「実はよ。守田に力を貸してほしいことがあるんだ」 　同級生でチンピラの中谷勇次に見せられた携帯の画面には、両…

「あ？　『ひとりかくれんぼ』なんだろ。一人でやれよ」 　守田裕が突然『ひとりかくれんぼ』をしたいと言い出した。 「ばーか。おれは女子とのドキドキした夏の思い出が欲しいんだよ。…

「顔のない獣を××で、やっつけたね」 　幼馴染の久我遥と××をした日から三年。 　浅倉隼人、十四歳の夏。 　 「隼人はさ、あたしが恋人を作るのに抵抗とかないの？」 　一緒にい…

　就職活動中の川島疾風はヤクザの息子をひいた。 　たいした事故じゃなかった。 　ヤクザの息子は警察ではなく、仲間を呼んだ。 　そこに恋人の弟、中谷勇次が現れる。 「中谷勇次。…

「××」くぐもった声で秋穂が言った。 「なに？」 「私のこと、好き？」 「好きだよ」と僕は言った。 「どのくらい？」 「秋穂が想像しているよりも、ずっと」 「いつから、好き？」 …

「止まってた時間が動き出すって素敵ですね」 「自分の未来を他人の行動で決めるなんて、バカですよ」 「俺と別れてから綺麗になられてたら、なんか悔しいって話だ」 「いわずもがや。大人…

「ねぇ、行人」 「なに？」 「エッチしたことある？」 　突然の問いだった。 　中学三年の僕は当たり前みたいに経験なんてなかった。 　夏休みが終わって、けれど、まだ夏は終わってく…

　姉の死がきっかけになって小説を書き始めた宮内浩は高校進学と共に「眠る少女」というガールズバンドを知る。 　そのバンドが歌っている曲が自分の書いていた小説のタイトルと内容だった。…