「自分らしさ 純文学」を含む小説

写経小屋で雑役として働く十五歳の少年・真名は、 「書くことを許されぬ者」として墨と紙の匂いだけを吸って生きていた。 ある朝、写経師の手元から落ちた一滴の墨が、 世界の輪郭を静かに…

孤独は、誰かに与えられるものじゃない。 自分で世界から離れたとき、初めて姿を持つ。 これは、その後遺症の話です。 ※noteにも同じものを公開しています、

「雨降る、プラネタリウム、なんだね」 星一は、齢20前の青年であった。彼はテロリストである。彼だけが、街の運命――終焉を知っている。 そんな朝に、星一の胸を、酷く曇った後悔が劈い…

学生時代の先輩の思い出。 卒業後の自分。 そしてある時、ふとした拍子であの頃の思いが静かに蘇る。

李亜山高校に通う二年生・狩野栄一は、自分のことを「平凡な男子高校生」だと言い聞かせながらも、胸の奥にいつも押されないままの鍵盤があるような違和感を抱えていた。 ある放課後、噂を頼…

南舞はアニメ声がコンプレックス。 高校に入学した頃、教室で近くの席の子と話していた。 「ねえ、今の声聞いた？　ぶりっ子じゃね？　本当の声で話せよ」 少し離れた席で女子が笑い合っ…

BLきっかけで出会った男女の物語 友達…ともつかない奇妙な関係の二人 日常会話劇多めです。 ほのぼのとしたやり取りでそれぞれ自分を見つけて行きます。 色々な形の恋愛観が書け…

あまり本文に共感し過ぎないことを強く薦める。 ・お願い 浪人の火急に満足な時間も取れない儘、締切の一週間前から爆速でスマホに打ち込んだ拙作ですので、字の間違い、語法の誤り等々あ…

自分の親友と交際している幼馴染に片想いをしている主人公のお話です。

最近夏目漱石の『三四郎』を読んで、ダーター・ファブラという言葉を聞き齧りました🙋‍♂️ 「ダーター・ファブラ（de te fabula）」はラテン語で「その物語はお前のことだ」…

いなくなったはずの彼女を追う男、恋煩いに悩む少女。自分の目が嫌いな男の子。 様々な葛藤の中で生きる人々を描いた短編集です。 コンテストなどに出したものも多数投稿しております！

昼間の仕事をしていた自分は、夜の仕事でそのネコの彼女に出会ったのです。 その「なまけもの」のネコの彼女はどうやってもまじめに働くことのできない人間でしたが意外なほどの美形で 小柄…

【作品概要】 『冷たい生の質量（Lye）―愛を終えた部屋で犬と―』 元恋人が遺した老犬・ライを、私は世話してきた。 懐かず、吠えもせず、ただ生き延びるように呼吸を繰り返すその…

日々を淡々と過ごす只野は、 かつて自分の中にあった情熱を、 いつの間にかどこかに置き忘れていた。 周囲と距離をとり、流されるままに生きる日々。 そんな彼女の中で、ある出来事を境…

高校二年生の松平葵（まつだいら あおい）は、クラスの隅っこで読書に耽る優等生。放課後は一人教室に残り、勉強をしていることになっているが、実際は趣味で小説を黙々と書いている。 梅雨…

『恋愛免許証』 時は2177年──“人を愛する資格”が国家資格となった近未来。 エリート企業の後継者・甲屋大悟は、実の弟の裏切りにより全てを失い、社会の最底辺であるスラムに流れ…

　ここは、さまざまな種族が生存する世界。 　主人公であるベルメルシア家の御令嬢アメジストの種族は、人族（ひとぞく）。 　自分の信念を曲げない正しき道を歩む彼女は、とても慈悲深く、…

ここは色とりどりの花が咲く野原。 今日も多くの花が咲き誇っている。 「私」は暗い花を咲かせる、目立たない植物。 音に敏感で、逃げられず、周りに理解もされない。 そんな…

『命を建設するパズル』大シリーズの第1作。『若き原の花火』小シリーズの第1弾。 明治時代で生きている優秀で個性的な美女の中学生である渡邊雅實が、絲島純彦の導いている『若き原の花…