「小説家 円城塔賞」を含む小説

警官である俺の前に連れ出されたみすぼらしい男。彼は泣きながら告白を始める。 自分がここまで堕落したのは、30年前の万引きがきっかけだったと。 学生の頃、ほんの出来心でやらかした犯…

お正月になるとみんながお年玉をくれるのが楽しみだ。でも、すぐにお母さんにとられてしまう。いとこで年上の奈々ちゃんがこっそりくれたお年玉。それを握りしめて僕は駆けだした。 ※小説…

　ヒロインの月子（つきこ）は二十代の動画配信者。最近、少し人気が出てきた彼女の『お月見チャンネル』は、ある日の夜に不思議な場所からライブ配信される。その動画で、月子と共演している…

　僕達はいつも一緒だった。君が買ってきたおそろいのテディベアも一緒。出かけて行った君がもうすぐ帰ってくるだろうから、そろそろ食事を用意しよう。きっと君は凍えて帰ってくるだろうから…

　少女は牛と友達になった。 　※小説家になろう様、アルファポリス様にて重複投稿しております。

アホの弟が我慢大会をしようなんて言い出した。ちょうど退屈していたところだったし、やってもいいなんて答えたら家族を巻き込んでどんどん準備をし始めて……。 ※小説家になろう、エブリ…

　ある日、公園に散歩へ行った男が出会ったのは、立派な大樹の前で絵を描いている青年であった。しかし、彼のキャンバスに描かれているものは、青々と葉が茂る見事な大樹とは程遠いもので――…

　天使と悪魔が人間の世界を観察しておりました。天使は人間の不幸を悲しみ、悪魔は人間の不幸を喜びます。天使が言いました。 「哀れな人間から不幸を消してあげよう。代わりに幸福を授けよ…

　ある暑い夏、家でテレビを見ていた男はふと喉が渇き、水を飲もうと蛇口をひねった。しかし、出てきたものは水ではなく——。 　※小説家になろう様、アルファポリス様にて重複投稿してお…

　柔らかい芝生の上で、僕は気持ちよく寝転がっている。僕の横で寝転んでいる君も気持ちよさそうに眠っていた。 　これは、僕と君がかつて過ごした穏やかな日々の物語。そして、僕達が失って…

カクヨムWeb小説短編賞2023【短編小説部門】 　☆短編特別賞☆を受賞致しました 昭和二十年、京都、夏。売れない小説家の男――『私』は風に飛ばされた原稿を追いかけて侵入した洋…

『15時からおやつサービスあります』 喫茶店の前に置かれた看板を見て、私は子どもの頃のことを思い出す。 お母さんが仕事でおやつの時間にいたことのない私には、友だちの話すお母さんの…

いつも不機嫌そうな顔をしていた夫。 生前は、居ても居なくても同じなんて思っていた。 けれど……。 ※小説家になろう、エブリスタにも掲載しております。

オタクの僕に奇跡のように出来た彼女。幸せなはずだった。僕の部屋から大切な大切なコレクションが消えるまでは。 ※小説家になろう、エブリスタにも掲載しております。

結婚してから数年、妻は子どもの世話に掛かりきりだ。幸せなはずの毎日。だけど何かが足りない。付き合っていたあの頃に帰りたい、なんて思っていたある日。会社を出た僕は、昔の妻によく似た…

小さな頃から男の子に間違えられる私。 好きな人にまで、男友達みたいだと言われてしまう。 だけど、いいんだ。隣にいられるのなら。 ※小説家になろう、エブリスタにも掲載しております。

気がつくと俺はデパートの屋上にいる。会社をリストラされてから毎日と言っていい。俺は何をしているんだろう。こんなところで。 ※小説家になろう、エブリスタにも掲載しております。

『ゾンビと意思疎通を図り、人類を絶滅の危機から救った英雄』の話を君は知っているか？ ……何？ 知らない？ それは大変だ。この先生きのこる事はできないぞ！ ……っていう話…

確かに『見ているだけの簡単なお仕事』だった。 ただ、見ているだけの。 ※小説家になろう、エブリスタにも掲載しております。

友だちはみんな、あの先輩がかっこいいとかクラスの男子が気になるとか言っているけれど、私にとっては恋愛なんてお話の中の出来事としか思えない。私にもわかるときが来るのかな？ ※小説…