「息」を含む小説

遅刻、遅刻、走っていると角から大好きな人。あら、息が苦しいですわ

冒険者として働くテオは、日銭を稼ぎながら、ただひたすらに何かを待つように生きていた。 飲み込めない信仰。恵まれない才能。適応するには狭量で幼かった精神。 それらを抱え、鉄の武器…

―田岡の者は死んだら一部をお山に返す。 古い慣習を嗤い、全ての物を古臭いと切って捨てた父は山の祠の前で息絶えていた。 一族の古い慣習を託された娘は父の骨を胸に、山へと分け入る。…

　わたしは猫。ある小さな道を見るためだけに産まれた猫。名前はある。何百、何千年前に付けられた名前がある。わたしの首に付いているがわたしには見ることが出来ない。 　名前を付けてくれ…

夜な夜な息をする

本質を失った現実の中で、孤独な16歳は神秘的な変身の中心に突然投げ込まれます。平凡な誕生日に思われた、孤独と憂鬱が印象付けられた中、夢と現実の境界が曖昧になり、夢の風景での奇妙な…

白音フレアは白音教団の教主の娘で「聖女」だ。中学二年の夏のある日、フレアは幼馴染の貝瀬セカイを突っ込んできたタクシーから救う。タクシーから降りてきたのは黒づくめのコスプレ美女、黒…

完結しました。お読みいただいたみなさん、ありがとうございました。 ◇◇◇◇◇ 放蕩姫として悪名高いとある王国の王女は、今宵も快楽を貪り嬌声をあげる。それをクローゼットの中から息を…

永遠とも思える両親の冷戦状態に巻き込まれ、息が詰まる家の中が面倒にしか感じられなくなってきた。それでも両親と暮らさなきゃいけないし、学校にもいかないといけない。全部やめてみたらど…

ノルヴァ公爵家の３女、カナヤ・エルミッツには非凡な魔術の才があった。 天賦の才だった。 誰に教えられたわけでも無い。 書物に目を通すだけで、息をするように魔術を扱えるようになった…

消えたいと思ってしまった貴方へ。 僕の過去の話をお届けします。 僕がいじめで転校する4日前、祖母は息を引き取りました。 貴方も大切な誰かを思い出して。 消えてしまいたいなんて…

浪人中に書いていた短編です。同級生の大半はもう大学生で、かといって高校生に戻れるわけでもなく、自分だけ宙ぶらりんのままこんな淡くて純粋な恋愛ももうできないんだなって思って書いてた…

南欧にある古びた修道院。そこは余命いくばくも無い子ども達を受け入れる、終末期医療施設でもあった。 修道女のカターシャは次々と息を引き取っていく子ども達に心を痛め、神に祈りを捧げる…

　遠ざけても遠ざけても　近づいてきてしまう。 　ホテルのラウンジでのバイト中　櫻井冬二は朝食を食べに来た女性に一目惚れし　苦労して電話番号のメモを渡す。何とも魅力的な岡本彩絵は…

ローズマリーは婚姻のため隣国へ嫁いだ。 彼女を迎えたのは仕事ができると有名な伯爵閣下。 「これは楽ができるかしら」などと思ったのもほんの一瞬。彼が持つ領地は貧困に喘ぐ「テコ入れ対…

　はるか昔。獣人と魔術師と人間が共存する大陸で、人間が獣人を支配しようとした歴史があった。戦いのすえ人は破れ、大陸は獣人の天下となる。そして現在。獣人の帝王が君臨するシーデリウム…

虚構に満ちたこの世界において、白は決して始まりではないのです。 淡いリングの中で、私たちは腕時計をひたすら眺めて、規則的に息をするだけ。