「あなた わたし」を含む小説

春。 京都市内の高校に通う宝井はるこは校外学習で清水寺を訪れる。 そこで一人の美しい少女と出逢う。その瞬間、灰色だったはるこの世界は色を変えた。 二人で桜を見て話をしたのち、別れ…

銃規制が解かれ、一般市民が銃の所持を許可された現代日本。元いじめっ子にして現在いじめられっ子の『わたし』は十八歳の誕生日、すなわち銃の所持を許可されたその日、とある決意をする。 …

「きみが好きだ。心から愛している。わたしと結婚してほしい」 　若き騎士団長ジェリルから熱烈なプロポーズを受けた占い小屋の魔女アメジスティアは、しかしその言葉を受け入れることがで…

　メロディアは幼なじみであるドリューヴ王子から熱烈な求愛を受けていた。ほとんど病的と感じられるほどに。しかし、そんな彼女にはかれに話してはいない過去があり、また、その過去から忍び…

「きみのためを思って云っているんだ。宮廷を出て行け」 　婚約者であったわたしの目の前で、王子は平然とそう口にします。何でも、かれは異世界からやってきた少女と結婚するのだとか。わ…

小学五年生の美恵子には、気になる男の子がいた。 ちょっと太めでいつも汗をかいている男の子。 特技は食べることで、ちょっとドジ。 クラスの他の女子からは嫌われていたけど、明るいその…

高校二年生の黒汐彩日《くろしお　あやひ》は他者を拒絶していた。 黙々と授業を受け、休み時間は本を読み、昼休みは屋上で映画を観て一人過ごす日々。 ある日、そんな彩日と交流を図ろうと…

天才ピアニスト日向春馬と永遠の二番手以下の望月冬実。 才能の及ばない彼女の半生は、彼への嫉妬がすべてだった。 ※第一回遼遠小説大賞参加作品 企画の裏テーマが「小説はどこまで…

「今夜は何を出してくれるんだ？」 「体にいいものっていうのは、不味いものでしょ？」 憎まれ口がでてきてしまうのは、あなたが遠い人になっていくのを感じていたから。 突然異世界1…

わたし、雪村緋芽。中学2年生。怪人サボリタイから地球の平和を守るため、正義の味方コハクイエローとして戦っているの。クラスのみんなには内緒だよ！ えっ？ 顔が赤いのはどうしてかって…

「君を夢から醒めさせてしまったのはわたしなのに……今はわたしひとり、君の夢の中にいる。もう君はそこにはいないのに、その先に行ってしまったのに、今でも君の夢の中で、君の姿を探してる…

あるものがなくて、ないものがある。 楽しい悪夢を見て、まっ白な嘘をついて、あなたとわたしに似た人がこちらを見てくる。 どこにもいけないと思っていても、どこかに連れていかれてしまう…

吉野智夏（ちなつ）高校2年の17歳。 中学の頃、わたしは人との距離感がわからなくなっってしまった。 友達とクラスメイトの境目は？ でも周りが全てただのクラスメイトだとしても、この…

　個人の嗜好がシステムに読み取られる近未来。独身生活を送る〈俺〉は、軽い気持ちで恋人マッチングサービスに利用者登録する。それは自分を反映したアバターを作成しさえすれば、後はＡＩが…

「カイル、悪いけどあなた、もうパーティから出ていってくれない？」 　シーラがそう告げて、カイルを追放してひと月後から。 「なんでお前達は俺の邪魔ばかりするんだ！」 　そんな…

緋根 聖斗は恋人である高峰 甘楽の誕生日を祝う為に彼女のアパートを訪れ、そこで衝撃的な場面に遭遇する。甘楽が別の男とベッドで抱き合う姿に呆然とし、彼女からは「あんたと付き合ってた…

その花の中に一つ”虫”が付着していた。線が太く、荒々しく、醜い。その虫がこの花を穢し台無しにしてしまうのではないかというくらいに目障りな存在…その虫は他でもない。 ━━私…

クラスメートの須藤燈真とは幼馴染みで仲も良く、『わたし』は彼に片想いをしていた。しかし彼に好きな人ができたと告白され――。 好きな人の恋を、応援できますか。それとも、諦めずに行動…

---その日以来、あなたはわたしのおまもりになった。 かけることばも、くれるものも、なにもかもたいせつで。なくなっていいものなんか、ひとつもなかった。 それなのに、どうしてなみだ…

記憶にすら残っていない父が、亡くなった。 葬儀に間に合わず途方に暮れた彼女は、河川敷近くの公園まで歩いた。 そこにいたのは、どこかで見覚えのある男の子だった。 男の子とした約束。…