「連作短編 和風」を含む小説

どこかの山奥には深い竹林が広がっており、そこには一人の少女が捕らえられていた。 彼女の名前は、かごめ。齢は十五歳であり、竹林の中にある小屋でずっと生活していた。 しかし、孤独と寂…

正和3年(1314)晩春の頃。遠江国池田宿に立寄った“人狗”紀政綱（きの-まさつな）は、旧知の歩き巫女・麻乃に再会する。宿に住む武士から女の幽霊に関して相談を受けた政綱は、麻乃を…

　鎌倉時代末、正和2年(1313)9月。京都東郊の加茂河原で観月を楽しんだ京極為兼と従者達は、帰途を黒雲に変化する怪物に襲撃される。絶対絶命の危機を救ったのは、“人狗”紀政綱（き…

遠然房(とおせんぼう)。 それは風変わりな店主――通称・遠然坊(とおせんぼう)が営む妖怪相談所。 彼を師匠と呼び慕う少年――境(さかい)ミナトと共に、遠然坊は今日も訪れる妖怪たち…

腐れ縁の友人・坂本が持ってくるのは奇妙な気配を帯びたものたち。 人ならざる者との徒然なる交流の記録。満月との酒盛りに白木蓮の美女、喋る石狐と真夜中の墓場から出かける夏祭り、等々。…

竜を狩り、食し、生活に利用する者たち、竜追い。 一方で竜を信仰する者たちがいた。 竜追いの八神は、竜を信仰する少女、イサナと出逢う。

とある田舎町「湖守」を舞台に起こる日常に隠れる非日常。 舞台設定を共有した短編連作となっています。 若干ながらガールズラブ要素もありますが、疑惑の判定レベルです。 一話完結型の…

激しき情念は鬼と為り、神と為る。 其は自覚無き故に呪には非ず、生きたる者の業たれば霊に非ず。 業念が巻き起こす、奇なる現象を《生魑-いきすだま-》と表す。 ここに綴りますはそう…

そのお店は『骨董店』と言う名前の通り、見た目は、時代劇のドラマや映画のセットで見るような純和風。 しかし、その『骨董店』は不思議な事にいつも突然現る――。 しかも、売ってい…

「一大事よ！　妖怪変化よ！　百鬼夜行よ！」 お嬢さんはいつものように、書生部屋に駆け込んでくる。 開明から三十余年。 元気いっぱいの男爵令嬢と 平穏に生きたい書生が 開国帝都を駆…