本作は骨董店『蜻蛉』のお品ものを買った人たちが視点になって広がる不思議な日常の物語です。 ストーリーを話しちゃうとダメなタイプの作品なので、素直に感想だけ……(でも語りたい……)。読んでいるとすごく心が癒されるような気がするんです。それはストーリーの終わり方とかじゃなくて、たくさんの物事の側面から小さな幸せを見つけさせてくれる話の造りがそうさせてくれるのかな……、人の心の脆さとか優しさとかが細い糸のように編み込まれて1つのまっさらな絹ような美しさを感じさせてくれるんです。きっといつ読んでも色褪せない不朽の名作ってこういう作品がなるんだろうなぁ……。もっとこの作品の物語が読みたいです。お店のお品ものが完売するまで。
摩訶不思議な骨董店の商品を手にした人々の日常の変化を描いた、今までにありそうでなかった作品です。小生が気に入っている商品は、「水玉」と「花簪」です。時代と場所を問わず現れるこの店は、思いもよらない商品を扱っております。店も不思議ならそこに並んでいる商品も不思議な物ばかり。なんとも心そそられます。
話数がありますが、1話1話が短いのでサクサク読み進めることができます。しかし、その1話1話に凝った設定があり、読みごたえも十分です。物語はまだまだ続きそうですが、お勧めの商品を是非皆様にも手に取っていただきたく、ここで書かせていただきました。
入店希望の方は、気を付けてお入りください。