「禍根」を含む小説

夫がヒステリックに論を捲したてている それは取るに足らない理由に起因するものであった…

　死ぬ間際の呪いや恨みは、そのまま現世に残って祟りをなす。残留思念というものだ。相手はもう死んでいるのだから、殺すことができない。「思い」を滅する特別な方法が必要になる。さらにや…

レンロック国、王位第１継承権を持つ王子ダグ・レオヴォルドは『白銀の獅子将』と呼ばれた万の精鋭を率いる大将軍であった。 　だがある日、腹違いの弟ニコ・レオヴォルドの策略によって他国…

『越境者たちの眼差し』本編執筆開始前に、作者が作品の世界観を掴むために書いているものです。なのでこれから本編に登場するエピソードもあれば、完全に小噺のみとなっているものもあります…

　本来交わるはずのなかった人間と妖怪。二種がぶつかり起きた戦争は読んで字のごとく、人妖戦争として語り継がれる。時は過ぎ、戦争より十数年。未だ禍根は残るものの、二種の共存が確立した…

　学園都市桜花で繰り広げられる黒薔薇の女王陛下との戦いの日々に、朔也子が初めて足を踏み入れた日、黒薔薇の女王こと高子と交わした内緒話。その幕引きに多くの謎と禍根を残した学都桜花最…

「あたしな、あんたのこと、好きなんや。だから今夜、ここに泊めてな」 深夜、突然、私の部屋に来た森みどりは言った。そこに返答の余地はない。 これは不甲斐ない私の回顧録だ。人生には、…