明日起こるかもしれない、あなたの「if」の物語『僕とキミの15センチ』
526 作品
ご投稿いただいた皆様、ならびに読者選考にご参加いただいた皆様に、改めて深く御礼を申し上げます。
今回のコンテストでは、“15センチ”と “男女”の二つのお題が入っていれば、どんな物語でもOKというテーマで募集させていただきましたが、このテーマ――とくに“15センチ”というお題は、ショートストーリーとはいえちょっと扱いが難しくなりすぎってしまったのでは、と編集部では危惧しておりました。
しかし、いざ蓋を開けてみると予想をはるかに超える数のご応募をいただき驚きました。しかも応募作は、いずれも趣向を凝らした内容になっていて、選考も大変楽しいものとなりました。
今後もぜひテーマを変えて、今回のようなコンテストを開催できればと考えております。
また、受賞作は10月30日にファミ通文庫より刊行される『ショートストーリーズ 僕とキミの15センチ』に収録されます。今回の大賞受賞作や、すでにレーベルページにて掲載している作品に加え、書き下ろしの作品も加えた大ボリュームのショートストーリー集となっておりますので、ぜひこちらにもご期待いただければ幸いです。
『恋』と『愛』、一つしか選べないのなら、どちらを選ぶべきだろうか
華道家の娘が田舎に戻り、書道ボーイと出会うお話です。
三話の連続短編となり、一つ15分程度読むことができます。
あなたのお時間を私に少しだけ下さい、よろしくお願いします。
「ファミ通文庫×カクヨム「僕とキミの15センチ」短編小説コンテスト」の中間選考の結果を発表させていただきます。
多数の力作を投稿してくださった皆様、並びに作品を読んでくださった皆様には、改めて深く御礼申し上げます。
※掲載の並びは作品のコンテストへの応募順となっております
講評
“15センチ”をどのように料理するのか? というのが今回のコンテストの肝ではありましたが、本作は男女の物理的且つ精神的な距離として、この“15センチ”を作品に落とし込んでいるド直球な作品です。ある主、王道ともいえる展開の物語でしたが、三角関係を織りなす登場人物の3人がとにかく魅力的で、はたして結末はどうなってしまうのかと最後まで楽しく読ませていただきました。華道に身を捧げたヒロインと書道を極めようとする主人公のラストの決断も、芸術に足を踏み入れてしまった者たちの業が垣間見え、作品に深みを与えていたと思います。ままならない青春の中であがく彼らが眩しい素晴らしい作品でした。