玻璃の音*書房

作者 六月雨音

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★★★ Excellent!!!

淡く繊細で切なくて、それでいてどこか力強さも感じさせる素敵な成長物語でした。

非公開が差し迫っていたので駆け足で読んでしまいましたが、これは連載をじっくり追い掛けるのが正しい読み方だったなと感じました。同時に作者様の紡がれる透明感溢れる詩的な文章世界、とても好みだと再認識しました。

またこの世界に触れさせてくださいね。素敵な物語をありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

カメラ、暗室、薪ストーブ、真っ白なホウロウ、予想外のふんわり林檎菓子。大好きな物をひっそりとしまってある宝箱のような物語です。
移ろいゆく季節とともに少しずつ紡がれていく登場人物達の関係と、情景描写に差し込まれる主人公の思いは淡く透明で切なくて。ゆっくりと余韻を楽しみながら読んでしまう作品です。

★★★ Excellent!!!

大切にしたい物語や本が、誰しも一つはあるだろう。
この作品は、小さく口を動かしながら咀嚼して、味わうだけの価値がある。

価値という、言葉を使うのさえどこかせちがらく、似つかわしくないように感じる空気の透明感。

少年の淡い恋、移ろう気持ち、育まれる友情や新しい出逢い。
美しい四季の風景の中でそれらが清新に描かれている。

★★★ Excellent!!!

文章が詩のように美しく感じられる作品です。
詩がつながって物語をつくりだしているのか、物語が詩のような美しい文章のつながりで語られているのか、どちらにしても心地よくきれいな文章が静かに流れていきます。
そこで語られるのはフウチという少年の切ない恋の物語。そして彼が過ごす美しい土地での出来事。彼が思いを寄せる柚子さん、そのダンナさんで兄のようなクウヘンさん、フウチに思いを寄せる粉雪さん。みんなが優しい登場人物で、フウチを暖かく包んでいます。それでもフウチにはあきらめきれない恋心があるわけで……
そして彼の過ごす日常世界の描写が物語に華を添えます。身の回りにあふれているようなもの、誰もが知っている時間、そこに光が当たるとき魔法のように日常が輝きだします。この表現がまたすばらしいのです。
文章を追いかけることに幸せを感じる物語。
そう言う作品はなかなかありませんよ。

★★★ Excellent!!!

優しくて 切ない
悲しくて 温かい
尖っているものを少しずつ けれど確実に丸くしていく物語

ここにはたくさんの優しさが詰まっていて
読みながらその優しさに触れていけば 自分自身も優しくなれるような気がしてきます

きつねに包まれる 
私も素敵だと思い 何度も口にしてしまいました

★★★ Excellent!!!

心も身体もどんどん変わっていく、そんな微妙な時代の少年の心をきめ細やかに綴った物語。

この物語の舞台である森での日々は、あくまでも静かに淡々と紡がれます。
その情景は、作者という存在を介在しないかのように——まるで、何処かの森のある冬と、そこに住む人たちの日々をまるごと描き写したかのように…全てのもののひそやかな息遣いが聞こえてくるほどの、透明に澄んだ世界が広がっています。
創作された世界であることを感じさせない自然な空気と、その世界へ引き込む言葉達の力。気がつけば、自分もその情景の中に立っている——そんな感覚に驚かされます。

少年の心のふわふわとした不安定さ。揺れ動くその思いは、選び抜かれた言葉によって形を与えられ、読む者の心へ届けられます。時に優しく、時には突き刺さるように。
少年が、成長に従い、少しずつ「男」という性を持ち始める。真っ白から、ごく僅かな色合いを帯び始める——そのグラデーションの美しさも見事です。

ここへいくら書いても書ききれない、この物語の魅力に溢れた空気。ぜひ多くの方に、この空気を味わってほしい。この森を訪れてほしい。そんな作品です。
新しい季節の物語、楽しみにしています。

★★★ Excellent!!!

そこに優しい言葉がある

昔は葉っぱにメッセージを書いて、気持ちを伝えたんだって
そんな「言の葉」を集めたら『玻璃の音*書房』ができたんだ
・・・って、私はそう思う

透き通って手が届きそうなのに、届かない
柔らかそうに見えて、それは硬く研ぎ澄まされてる
暖かい春の光のようだけど、触れると氷みたいに冷たい
優しい色合いだけど、何も言ってはくれない

硝子は全てを透かしているようで実はそうでもない
まっすぐ出ていくこともあれば
曲がっていくこともあって
跳ね返ってもどってくることもある

人を見ているようで、自分を見てる

それを彼が理解できるのは
どれくらい先なのだろう

★★★ Excellent!!!

リアルタイム進行で再会される日を
待ち侘びる幸せな未来の「期待感」

別れがあるから出会いも待つ人生は
「一期一会」だと良く語られるモノ。

希望を感じて前に進み疲れた場合は
立ち止まり英気を養い再起動します。

幸せの定義は人それぞれで選択肢も
人生の数だけ存在しているはずです。

何が正しいとか間違えていただとか
過ぎ去ってから振り返るだけであり
やり直しは基本不可ただ受け入れる
現実はかくも厳しく空しく辛いモノ
それでも最後に残る何かは希望です。

これもレビューになっていない(笑)

★★★ Excellent!!!

何に包まれていると表現したら良いのでしょうかこの世界観は。
子どもじゃないけど大人でもないフウチの心情が静かに流れていきます。
その流れに乗っていくと、素敵な時間と出逢いがあって、気になるストーリがあって、手を伸ばすとそこにみんながいるようで・・・
とても優しくて引き込まれていきます。
美しい季節の中で少しづつ成長していくフウチとみんなをそっと見守っていきたいなあと。

★★★ Excellent!!!

 主人公の少年「ぼく(フウチ)」をはじめ、「玻璃の音*書房」を切り盛りする「柚子(ゆず)」さんに、「空辺(くうへん)」さん、そして書房の庭に住むかわいい「コリス(小さなリス)」……。

 登場人物や動物には、どこか自然の精を宿すようで、ぼくや書房での出来事を中心に、散文詩的な文章にゆったりとやさしい時間が紡がれていきます。特に、主人公のぼくは、14才の学生なのですが、まるで森の精のような木洩れ日が感じられ、不思議で心地よい少年です。

 一話一話の最後に紹介される本や音楽、おさかなさん(?)は、物語のモチーフとなるもので、その発見には、探究心と好奇心をくすぶられること間違いなし!

 ちょっと一息つきたい……カフェのおともにぴったりな物語です。

★★★ Excellent!!!

レビュー失礼します
毎日 更新され続けるいろんな小説
数ある作品の中から
本作のタイトルを見つけ
気を惹かれ、読んで
感動して、また読み返して
今、思いのままにレビューに筆を走らせています。

「檸檬」の、更にその中の
「ある崖上の感情」をここまで
美しく 表現させられ、ここまで昇華してくれた貴方様に ただただ有り難うと伝えたい。

申し訳ないこのような手前勝手な文章を書いてしまって、これからもずっと続いていけることを願いに願っております、心より
青城 助太

★★★ Excellent!!!

一話一話は短いのですが、この一話に書かれた物語の味が、どこか懐かしさの感じる風合いを持っていて、読む人を引き込む力を持っていると思います。
その懐かしさは、幼い日に読んでもらった絵本のような、思い出の中で脚色された、とてもあったかい作品なんだなと、思い出をくすぐられる感覚になりました。
ちょっと疲れたときに、ちょっと悩んだときに、ちょっと気分転換に、そんなちょっとした時間に読んでもらえたらいいなと思います。

★★★ Excellent!!!

幻想的で童話のような、柔らかい空気がずっと作中を漂っていて、読んでいると心地良さを感じさせてくれます。
この雰囲気を産み出しているのは物語の内容もそうなのですが、その物語を紡ぐ文章が綺麗なんですね。
言葉の選び方、句点の置かない文章。あえて漢字ではなくひらがなを使われてる箇所。
小説を読む際、文章をすごく気にしてしまうのですが、一行一行、丁寧に大切に描かれているのが伝わります。
とても素敵な小説です。

★★★ Excellent!!!


 フウチ君が玻璃の音*書房っていう本屋さんを中心に、何気ない日常を語ってくれるお話。柔らかい空気で包むように優しくお話ししてくれるから、時間がゆっくりと流れてるんだ。
 心に触れた小物や、いっぱいの思い出の中で色の付いている記憶を紹介してくれるんだけど、センスが良くて楽しい!作品世界を作った人の人柄をかいま見られたりするからね。
 作品の全体を楽しめる。

 でも、フウチ君はどうして僕たちにお話ししてくれる気になったんだろ?




 小説ってすごいよね。
 読んでる人の時間や感情を自在に操ることができるんだもの。
 この作品を読んでいると、時間の感覚がゆっくりになってふわふわしてくる。いつの間にか、作品の中に入ってて漂っているんだ。
 どこか懐かしくて、繊細で手触りのいい何かに包まれて漂っている。玻璃の音って言うんだって。綺麗だよね~
 あるところにはね、時間を止める事ができるお話があるみたい。でも、時間を止められるのは一瞬だけ。時間をゆっくりとのばせる方がすごいと思うんだ!
 お話が進むにつれていろんな物たちが増えていくよ。最初は少し不思議な書房があるだけ。僕たち読者は書かれることで存在を認識できるからね。
 そして、少しずつ仲間が増えていって、小物たちが置かれていって、世界に色が付けられていく。四季色のパステルカラーは玻璃の音に混じり合って、確かな感触を伴ってくるよ。
 それらに触れていることで、僕たちの時間はどんどんゆっくりになっていくんだ。
 世界を紹介してくれているのはフウチ君。だから、この世界の時間を操っているのは、実はフウチ君なんだ。でも、本人は気が付いてないかも。
 お話の中の時間だけが進んでも、季節がいくら巡ったとしても、お話の中の時間は進まないんだ。フウチ君が変わらなければ、時間は進まない。
 ここはそういうところ、僕のいる世界とはちょっとだけ違う… 続きを読む