幻想的で童話のような、柔らかい空気がずっと作中を漂っていて、読んでいると心地良さを感じさせてくれます。この雰囲気を産み出しているのは物語の内容もそうなのですが、その物語を紡ぐ文章が綺麗なんですね。言葉の選び方、句点の置かない文章。あえて漢字ではなくひらがなを使われてる箇所。小説を読む際、文章をすごく気にしてしまうのですが、一行一行、丁寧に大切に描かれているのが伝わります。とても素敵な小説です。
らららー
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(206文字)
心も身体もどんどん変わっていく、そんな微妙な時代の少年の心をきめ細やかに綴った物語。この物語の舞台である森での日々は、あくまでも静かに淡々と紡がれます。その情景は、作者という存在を介在しないか…続きを読む
そんな短編の連作集。色も香りも違うアロマキャンドルの数々、だろうか。
短い文章の中のひとつひとつの言葉、モチーフに音、香り、手触りが自然と心地よく、時にちょっとせつなく浮かんできます。小さい頃、眠る前に絵本を読んでもらっていた時のよう。一息つきたい時、時計の針が早…続きを読む
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