二輪の百合は、宮に咲く

登場人物

宮：田舎町の中に佇む小さな神社の「忘れられた産土神様」の少女。土地の民に信仰を忘れられつつあり、このまま、消えてしまう事を危惧していた。過去に救えなかった民の事で心の傷も抱えており、やや卑屈な部分もある。ある時、参拝客も途絶えた神社を偶々訪れた天海、琉莉と出会い、繋がりを深めていく。
天海：30代前半の、やや低めの声に落ち着いた雰囲気の、新進気鋭の作家の女。原稿にかかりきりで、私生活はいくらかだらしない。とある事情で、琉莉と共に都会を出て、ある田舎町に越してきた。

琉莉：20代前半の女性で、小鳥の囀るような高く、澄んだ声を持つ。天海の世話焼き女房的な存在。表向きには、住み込みで作家の天海の世話をしているという立ち位置だが、実際には作品のファンを経て、天海の恋人となり、共に暮らす…続きを読む