教室の隅の上田ですが、決意によって超常的な力を手にしたようです。

第15話 上田と芹奈②

「ごめんなさい、急に部屋まで上がっちゃって」

「別にいいけど…」

「上田先輩でいいですか？」

「なんでもいいよ」

「じゃあ大ちゃんで」

…なんだこいつ。

僕のことなめてる？

可愛いから別に嫌な気はしないけども。

というかちょっと嬉しいけども。

「美川さんはなんで僕の家…」

「芹菜で」

「ええ…」

「苗字呼びなんかムズムズするんで」

「芹菜…さんはなんで僕の家知ってるの？」

「さんww」

暴れそうなんですけども。

「あーおもしろ。大ちゃんかわいいね。先輩だけど喋りやすい」

「どうも」

「渡辺先輩に聞いたの」

あのデブ…普通人の住所勝手に教えるか？

女の子だからいいけども。

「で、飛び降りたこと聞きに来たの？わざわざ？」

「うん。教室を壊した力のこととか気になっちゃって」

なんだその行動力。

ちょっと変な子だな。

「僕もよくわかってないよ」

「生まれつきあったの？そういう力」

「全く、今日初めてだよ」

「漫画みたいな力だよね、ほんとに現実かってちょっと疑ってるもん」

…それは僕もだ。

コントロールできるとか一喜一憂してたけど、冷静に考えたらこんなこと現実に有り得るのか？って思ってる自分もいる。

「僕もだよ」

「高橋先輩にいじめられたのがきっかけ？」

「…！？どこまで知ってるんだ」

「色々知ってるよ〜〜〜」

歳下の女の子に自分が虐められてること知られるのめっちゃやだな。

「でも…それがきっかけかもしれない。高橋に思いっきり叫んだ時に力が出たんだ」

「うーん、怒りでリミッターが外れたとか？」

「僕もそう思ったけど、それにしては色々おかしい。数メートル跳んで着地しても脚があんまり痛まないし。めちゃくちゃ速いスピードで走れるし。脳ってより体の方が変化してる感じがするんだ」

「じゃあ尚更不思議。こんなことあるんだね」

「でも多分コントロールはできる。慣れたら今まで通りの生活は全然送れそうだよ」

「そんな力手にして、今までみたいな生活送るだけ？w」

「そうじゃないの？」

「もしかしたら…悪いやつがこの街に現れるから、大ちゃんに力が宿ったのかもしれないよ」

「…！マジか…！……とはならないよ」

「あははっ！大ちゃん意外とノリいいじゃん」

めちゃくちゃ楽しい。