第5話 多数決


クラスの40人中、多分30人くらいが手を挙げた。


あ、よかった。坂本ちゃん挙げてない。



「数えなくても…わかるよな上田くん。ここを出るんだ」


「なんで?」


「黙れよ陰キャ!お前が床を……」


「おぁぁぁぁぁああああああ!!!!!」


「!?」



高橋、お前は黙ってろ。


さっきから陰キャ陰キャ言いやがって。


というか思ったより上手く言い返せない。


今まで言い返した事なかったから、言葉が出なくて叫んじゃうな。



「上田くん…!出ていくんだ!」


あ、床またやっちゃった。


今度はヒビの中に僕が沈んでる…


これ、あとで修繕費とか取られるのかな?

お父さんごめんなさい。


「…わかった。じゃあ、お開きということで」



ガラガラガラ



今は教室を出よう。


というかほんとにこの力なんだ?

身体に力がみなぎってるような気がする。


…走ってみたい。


今ならとんでもないスピードが出る気がする。



廊下だから走らないけども。


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