第11話 上田が帰宅

「ただいま」


「あれ?大輝、学校は?」


「体調不良で帰ってきた。病院行きたいんだけど」


「あら、大丈夫?風邪ひいた?診察券探してくるわね」


「風邪というか…まぁ色々聞きたいことあるから内科行ってくるよ」


「わかった、あとで渡すから部屋で休んでて。午後診で大丈夫?」


「うん」


ガチャ


ぼふっ


随分疲れた。


ベッドに伸ばした脚がピリピリして心地いい。


体のことは病院で診てもらうとして、教室で叫んで調子乗っちゃったのはもう取り返しつかないな。


人と話すの苦手だけど、大人しくて害がないからギリギリ教室にいれたのに…一日で全部なくなった。夢か?


でも妙な力が覚醒したから皆の目線が違っただけで、いつもの僕が叫んでたらきっと…


クスクス笑い声が聞こえて、高橋も茶化してきて…



そう考えるとこの力があったおかげで、僕は笑いものにならずに済んだんだ。


あれ、この力めっちゃ良くね?



ガチャ



「お母さん」


「なに?」


「なんか寝たら治りそうな気がする、風邪薬だけあとで買ってきてくれない?」


「そう?行っとかなくて大丈夫?」


「大丈夫、勉強の疲れが溜まってただけかも。ちょっと寝るね」


「わかった、じゃあ起きてくるまで声はかけないよ」


「ありがとう」



ガチャン…




この力、コントロールが効かないなら危険だ。


まずはじっくり身体テストだ。




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