第3話 覚醒

教室に入ると視線が一斉に集まる


かつてないほど冷ややかなクラスメイトの目


その奥に見えるのは


大袈裟な包帯を頭に巻き付け、薄気味悪い笑みを浮かべる高橋


この一瞬で悟ってしまった


もう僕の居場所はここにない。






…今なら変われるか?


居場所がない、なんてはなからわかってたことなんだ。


…元から失うものなんて何も無いんだ。


クラスの女子にキモがられないように、変なやつだと思われないように、


コソコソ生きる必要は無い。


どうせならここで変わってやる!


僕は僕なんだ​──────





「おぁぁああああああああ!!!!!!!」


「!?」





頭の血管がブチギレるくらい叫んでやった。


教室の視線が一斉に僕に集まる。


なんて気持ちがいいんだ。


ふふ、流石の高橋も面食らってるな?


…なんだ、震えてる?


怖いのか、僕が。


よ、よし。言ってやる。




「怖いのか、僕が」




言ってやった!


「あ…あぁ……お前、なんだよそれ…!」


それ?


高橋の視線が僕の足元まで落ちている


!?


なんだこれは





教室の床がバキバキに割れてる…




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る