概要
狂気と妄執のはざまで
歌人・在原業平の末裔である在原元貞(ありわらのもとさだ)は、長く赤貧洗うがごとき暮らしを続けている貧乏貴族であった。
両親を亡くし職も失い、さらには下世話で無遠慮な近所の眸に耐えきれず京を去った元貞は、東海道を下るうちに豪奢な屋敷を見つける。
その屋敷に住まう両親を亡くした長者の娘・高子に一目惚れして結ばれた元貞は、元の暮らしからは考えられぬような夢のような暮らしを手に入れた。
しかしその背後には、意外な人物の影が迫っていた――
『今昔物語集』巻第二十九「世に隠れたる人の聟と成りたる■■語 第四」の翻案作品。
【注意】
※縦書きを想定して書いているため、一部固有名詞を除き全ての数字が漢数字となっております。
※感嘆符や疑問符の後ろにスペースがないのは誤字脱字ではなく意図的なものです。
両親を亡くし職も失い、さらには下世話で無遠慮な近所の眸に耐えきれず京を去った元貞は、東海道を下るうちに豪奢な屋敷を見つける。
その屋敷に住まう両親を亡くした長者の娘・高子に一目惚れして結ばれた元貞は、元の暮らしからは考えられぬような夢のような暮らしを手に入れた。
しかしその背後には、意外な人物の影が迫っていた――
『今昔物語集』巻第二十九「世に隠れたる人の聟と成りたる■■語 第四」の翻案作品。
【注意】
※縦書きを想定して書いているため、一部固有名詞を除き全ての数字が漢数字となっております。
※感嘆符や疑問符の後ろにスペースがないのは誤字脱字ではなく意図的なものです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!まなざしの豊かな含意
遅れてしまいましたが、説話翻案企画への参加ありがとうございました。
原話は、説話でありながら、主人公これという対決をすることがないまま、なんとなく財産を手に入れて、自身の問題を解決してしまうかのようなつくりの物語です。これを小説にする場合、おそらく主人公が何と「対決」をするのかというところが焦点となると思います。ところで、この小説は、主人公自身がまなざしに脅かされているが、そのまなざしを放つ敵たる「落蹲」もまた、我が子からのまなざしに脅かされているという、味のあるつくりになっています。絡み合うまなざしの戦場のようなものが立ち現れて終わる、美しい物語だと感じました。