竹平家の秘密

「第45回横溝正史ミステリ＆ホラー大賞」に応募する作品です。

竹平家の主人公の朱里は、江利子の第一子として昭和四十年代に産まれました。田舎の小さな小さな村の産婦人科医院も無い地域で、食品の株式会社を経営していた朱里の祖母の元、天塩にかけて育てられる。広い敷地には、立派な欅の木や梅の木や紅葉の木など沢山の種類の樹木が植えられていた。畑や温室もあり、広い屋敷では子供たちによるかくれんぼが毎日行われていた。朱里が物心付く前から広い敷地のコーナーには、秋田犬が居た。朱里は、幼い頃には英単語を書けていたし、祖母に言われて小学一年生になる前には、国語の教科書をノートに全て清書したりした。幼馴染みの幸子ちゃんが遊びに来ても祖母は、書き終えるまで遊ばせてはくれなかった。何でも見た物を覚えてしまう朱里は、…続きを読む