概要
僕は空を見上げるように闇を見つめた
理不尽に失われた命が最期の想いを訴えるため流れ着く「命の終着場」。外界から隔離された異様なこの施設は、複数の巨大な棟によって構成され、そしてその全てがまるで隠されるかのように重厚な要塞で覆われていた。外部からの光や音が完全に遮断された閉鎖的な内部は、複雑な迷路のように入り組み、視界は深い暗闇に包まれている。
そこで僕は、突如として訪れた自身の死に納得ができず、想いを抱えたまま彷徨い続ける命達の訴えを受け止め、生前の善悪により「転生」もしくは「死」の最終判断を下す審導員として、魂の選別業務に従事していた。優秀なアンドロイドの秘書と共に仕事をこなす日々は順調であり、上層部からも高い評価を受けている。だがその反面、自由とは無縁の日常に窮屈さを感じてしまい、退屈な時間を繰り返す度にどんどんと嫌気が増
そこで僕は、突如として訪れた自身の死に納得ができず、想いを抱えたまま彷徨い続ける命達の訴えを受け止め、生前の善悪により「転生」もしくは「死」の最終判断を下す審導員として、魂の選別業務に従事していた。優秀なアンドロイドの秘書と共に仕事をこなす日々は順調であり、上層部からも高い評価を受けている。だがその反面、自由とは無縁の日常に窮屈さを感じてしまい、退屈な時間を繰り返す度にどんどんと嫌気が増
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