第15話 美弥線から山陰本線で出雲へ

山口県厚狭駅から美祢線のり、長門市で乗り換えて山陰本線の出雲市駅に向かうため大阪から厚狭駅までやってきた。

美祢線は豪雨で橋梁が流され、現在はバスでの代行運転をしている。そのバスで1時間30分ゆられて長門市を目指す。山口県を横断する路線である。

バスに乗るときは乗車券(青春18きっぷ)を見せて乗車する。どちらの窓際に座るかが大事なのだが頭の中の地図は左側に座るはずだったなと思い、左側の座席を確保する。バスはゆっくりと走り出す。途中下車するらしい人々でそこそこ混みあっている。

バスは美祢線の駅一つひとつに止まっていく。駅は整備されており待合室は解放されていた。待合室の中から乗客が一人、二人と出てきてバスに乗り込んでくる。電車が久しく走っていない線路にはススキが伸び放題に伸びていた。少し寂しい風景のようにも見えるのだが、そこに住む方々の日常は変わらなく動いている。

途中、橋梁の工事をしているらしきところに通りかかりはッとする。線路が開通するのはまだ時間がかかりそうだなぁと感じる。

すべての駅を回りながら、時々は駅から少し離れたバス停を駅として停車したりしながら予定より10分遅れで長門市に到着した。路線が開通したらまた乗りに来ようと思う。道路から見る町並みの好きだと思ったが、電車の窓から見る景色を見たいと思った。

長門市では山陰本線のホームに益田行の電車が止まっていた。急いで電車にのり席を確保する。電車は程よく混んでいたが、窓際のボックス席に座ることができた。

今から出雲市まで3時間半の旅が続く。電車の中でトイレに行こうと思ったのだが、和式トイレであったためあきらめる。最近は洋式トイレに慣れてしまい和式はきれいであっても使用する気にならないのであった。

長門市駅から日本海の海岸線に沿って電車は走る。日本海が電車の真下に広がり絶景である。夕方であったため海が夕日に染まり美しかった。海を眺めながら日が西に沈んでいくのを見守っていた。益田に到着するころには日はすっかり陰り、車窓からは大きな月が見えていた。日が陰り始めたころに有名な惣郷川橋梁を通ったが電車からは橋梁の全体像が見えないことと一瞬であり、橋梁を渡ったという実感はなかった。

後は暗い中を電車はひたすら出雲市駅に向かって走る。暗い車窓の向こうに大きな丸い月がうっすらと街を照らしている。私はおにぎりを食べながら月を眺めていた。

出雲市駅に到着したのは夜の10時過ぎ。そのままホテルにチェックインした。明日は出雲市と境港に行こう。たまには観光しよう!


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る