第12話 出雲大社
大雪の中、木次線を経て出雲市駅で宿泊をし朝は6時にホテルをでて出雲大社に向かうが、ホテルをでたらまだ雪は降り続けていて一面真っ白であった。
歩道に向かって歩いていてふと気づくと車道のど真ん中に立っていた。雪で歩道と車道の区別がつかないほど真っ白な風景であった。幸い車は来ておらず雪の怖さを感じた瞬間だった。
今回は電車ではなくバスで出雲大社に向かう。知らない街の中をバスは走っていく。知らない街の景色を見るのが好きだ。
早朝の出雲大社に参拝に行くと参道を雪かきしていたが10分もしないうちに参道は雪に埋もれていく。真新しい雪道に自分の足跡を残しながら人もまばらな本殿にお参りをする。本殿を参った後は必ず海に行く。出雲大社から歩いて15分ほどなだらかな坂を上るとその先に日本海が広がる。神様がこの海から社に来るのだそうだ。
砂浜のところに山?のようなところがありその頂上に社がある。ここを通って神様がやってくるのだそうだ。荒々しい日本海の波風を浴びながら厳かにその社はたっている。その山の脇に立ち日本海の激しい波風を浴びていると身も心も洗われるようで清々しい気持ちになる。
この日は激しい雪のため長時間その場に留まることは不可能だった。寒い。トイレにも行きたい。暖かいものが恋しくなったため早々に出雲大社前の参道に戻ると、そこには暖かいおぜんざいやそばが頂ける店が並んでいる。朝が早すぎてお目当てのそば屋は開店前であった。残念。すぐそばでおぜんざいを提供しているお店が開店していたので、そのお店で暖かい恋ぜんざいをいただく。恋なんて何十年もしてないわぁと思いながらハートの紅白の麩餅をいただいた。
あまりの雪の多さに耐え兼ね、昼前だがホテルに戻ることにしたが、出雲市駅前に「ランプの湯」というスーパー銭湯があることを知り、冷え切った体を温めるためランプの湯に行くことにした。内湯と一人用のヒノキの露天風呂が3台あるだけの小さな温泉であるが、年末の大雪の日でお客は少なく一人でゆっくり露天風呂につかる。露天風呂は昼間でも薄暗くランプで照らされた空間が幻想的であったが、一番素敵だと思ったのは竹やぶに降りしきる雪を眺めながらの温泉だった。こんなに幻想的な風景は早々みられるものではなく、美しさにうっとりと見入ってしまった。
温泉の後は、隣のレストランで昼食をいただきホテルにもどる。何もすることはないがホテルでごろごろごろごろごろとするのも悪くない。こんな旅は好きだ。
明日は大阪に戻る予定だが、ごろごろしてのんびりとしている私は、この雪でいくつかの路線は運休していることに気が付いていなかった。。。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます