第18話 伯備線と八雲 その2

新見駅に着くと乗り換えの電車ではなく、私が乗った電車を途中で追い抜いて行った八雲が止まっている。車内アナウンスがなかったため駅員さんに状況を聞きたいのだが、人が殺到委しておりなかなか話を聞けない。駅員さんは一人一人、丁寧に対応されておりベテラン感がある。

状況を確認すると40センチほどの落石があり、「石は取り除いたがどの部分からの落石なのか原因を調査中とのこと。復旧までは1時間以上は見てほしい」とのことであった。

復旧後は停車中の八雲が出発後、普通電車の出発となるし、岡山止まりの様子でもあった。

遠回りであるが1時間後に出発の姫新線を使い津山線経由で帰ることも検討したが、それだと大阪に着くのが23時過ぎになり、もし遅延が発生すると姫路あたりで宿泊ということになるリスクがあった。どれを選んでも岡山、姫路宿泊がチラチラとする。

駅員の方も「大阪まで帰る」と伝えると「あー」という表情になってしまった。

駅員の方が、「寒いから待合室が暖かいのでそちらで待っててください」と声をかけていただき待合室で待つことにした。

待合室には先ほどの高齢男性が待合室窓にぬいぐるみを3体並べて座っていた。その隣に腰掛けて待っていたが、少し退屈になり新見駅周辺をブラブラしてみることにした。時間があれば駅前の喫茶店でコーヒーと和菓子をいただきたいと思ったが、いつ出発するかもわからず、落ち着かなかった。待合室に戻ってみると高齢男性はおらず荷物もない。代わりに先ほどのにいぐるみが3体窓枠に並んでいた。

置いて行ってしまった様子である。おじいさんはどこへ行ってしまったのか。。。

しばらく待ってみたが戻ってこない。私自身、どうやって大阪へ帰ろうか考え、結局「八雲」で帰ることにした。青春18きっぷでは特急には乗れないため、乗車券と特急券を購入し八雲の自由席に乗り込む。

車内放送で何度か発車時刻のアナウンスはあるのだが30分ずつ伸びていき、最終的に新見駅到着から3時間半後にやっと出発した。

私は安堵し八雲にしてよかった、他の電車にしていたら今日中に自宅に帰れなかったかもしれないと思った。隣の席のお兄さんが、八雲に乗ってから発車までの2時間、ずーとビールを飲み続けてかなり酔っばらっているのが気になったが。

八雲は順調に進み、岡山に到着。岡山から姫路まで普通電車に乗り込む。

姫路について次の衝撃が待っていた。

乗る予定の快速電車が京都駅での線路立ち入りの影響により運転取りやめとなっていた。

ガーン!!!最終電車があるため大阪までは帰れるのだが、青春18きっぷは23時59分(59秒)までしか使えない。それを過ぎると、過ぎた時点からの乗車賃を支払うか、青春18きっぷをもう一回分使うかになる。

どの時点で午前0時を過ぎるかドキドキしながら無事大阪についた。23時52分着。ギリギリであった。自宅までの電車も最終にギリギリ間に合い大阪で宿泊も免れ、なんとか自宅に帰れた。今回もハラハラドキドキな旅であった。

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