第8話 広島県 尾道から西条へ

青春18きっぷを握りしめて、再び尾道へ。今回は尾道から西条、広島への旅である。

始発で大阪から姫路行の快速電車にのる。始発ではあるが旅行者やサラリーマンで混雑していた。幸い座席に座ることができたが次の尼崎では大勢の人が乗り込んできてラッシュ時に突入する。

三宮駅手前で電車が急停車し、車内アナウンスが流れた。

「緊急停止ボタンが押されました」とのことで、何かあったのかと少し不安になったところで「急病人発生のため次の三宮駅で救護のため電車が遅れます」とアナウンスが再び流れる。電車の中ではおばあさん軍団が姫路で乗り換えるのに困るとひとしきりぼやいている。姫路での乗り換えは5分だけど、JRの凄さは、ある一定時間は乗り継ぎのため発車時刻を調整してくれるところだ。そのためあまり不安にはならずに電車が発車するのを待つことにした。5分ほど遅れて電車は発車したが急病人が大事ないことを祈りながら車窓を眺める。

明石駅に差し掛かるころには車窓には海が広がる。山陽本線は瀬戸内海に沿って走る区間があり景色が楽しめる。いつもなら明石大橋も眺めらえて気持ちは高揚するかと思うのだが、仕事でミスをしかなりメンタルが落ち込んでいる。それでも電車にのるとうきうきとした気持ちになるので鉄道は凄いと思うのだ。

そうこうしているうちに姫路に到着。5分遅れていたはずだが1分の遅れに短縮されていて、やっぱりJRは凄いなーと思う。安全第一なので遅れても大丈夫だよと伝えたいな。(一部の人には怒られるかもだけど)

姫路から岡山までおにぎりを食べながら景色を堪能する。岡山までは特に特筆するものはないのだが兵庫県と岡山県の県境あたりは空気が澄んでいてひんやりとした空気がおいしいし、途中で見る川や山の景色が美しい。

岡山で尾道までの電車に乗り換えるが、30分ほどの待ち時間がある。この時間はトイレタイムではあるが、実は岡山から尾道方面はめちゃくちゃ人が多く、うっかりすると座れないため急いでトイレタイム(トイレも激混み)を過ごすとホームに並ぶ。すでに人が並んでいて、座れるか微妙なところである。

尾道に向かうときは進行方向左側の窓際席は死守したい!車窓がきれいなのだ。

笠岡の海、東尾道から尾道の間に見える尾道水道は最高の景色である。

尾道につき、まず腹ごしらえのため尾道ラーメンをいただく。やっぱり美味しい♪ちょっと贅沢して今回はチャーシューラーメンにした。

お腹も膨れたので、海沿いをブラブラする。駅前はテラス風になっていて観光客がちらほらといるが、私はその先の漁港まで歩いていく、漁船をつないでいるところは一番海に近いところで海を眺められるからだ。

仕事のミスを反省しつつ、上司からどのような結論を突き付けられても受け入れようと腹を括ろうと考えながらボーと海を眺めていると、見知らぬおじ様が話しかけてきた。

「いい天気だね」とか世間話しをしてくるので私も愛想よく会話をする。5分ほど話しているとおじ様が「急に声かけて悪かったねぇ。なんか思い詰めている感じだったから声掛けちゃった」と広島弁で話されて、初めて私が入水するのではないかと心配してくれたことを知った。そんなに思い詰めていたのだろうか。いや、確かに思い詰めてはいたのだが。。。

暖かい、おじ様に感謝しつつ尾道駅にもどりお土産屋さんでいろいろ見て楽しむ。

尾道の人は暖かいなと顔が自然とほころんでいく。心のささくれもほころんでいく。

さて、そろそろ西条へお酒を買いに行こう。


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