第22話 秋の乗り放題切符(1)津山線 亀甲駅(かめのこうえき)

秋の乗り放題切符をつかい3日間鉄道に乗り旅をしてきた。

東海道線・山陽本線で大阪から岡山に向かい、津山線に乗り換え津山駅に、そこから鳥取経由で兵庫県豊岡を目指す。朝5時過ぎに家をでて豊岡に到着するのは18時過ぎ。もっと簡単で早い経由はあるのだが、そこはね(笑)電車に乗るのが楽しいのです。

大阪から姫路までは時折海が見える。姫路から岡山までは山の中、町の中をひたすら走る。10月だけど紅葉は少し遅れ気味。車窓からの景色もまだ緑が多いなって思う。途中、彼岸花の群生を見かけて遅めの秋の気配を感じることもあった。

津山に向かうローカル路線にのり亀甲駅(かめのこうえき)に停車。改札の横に食堂が併設され「かつ丼」の文字に「ん?この駅は何かあったな。なんだっけ?」と記憶の引き出しを探るけど思い出せずにいるうちに電車は発車してしまった。

発車してすぐに窓の外に映る駅舎を見て慌ててカメラを構える。

亀甲駅は駅舎から亀が顔をだしているのだ。駅そのものを亀の体に例えそのサイズに合わせた大きな顔がニューと駅舎から飛び出している。

「うわぁ!写真で見るより実物は大きい、そしてなぜ黄色?」と亀の顔が黄色ことに驚きつつあっという間に亀は遠ざかってしまった。

写真を確認すると雨でぬれている窓の外にちゃんと亀の顔は収まっていた。

亀甲駅の由来だが、地名が亀甲町という。町の中に亀の甲羅に似た石があることからその名がついたとのこと。そういえば奈良県の明日香村にも亀石というのがあったことを思い出す。見たかった亀甲駅の亀駅舎を見て、旅の出だしは順調である。3日間の旅であるが、3日間とも雨の予報であり、電車の外は土砂降りだ。この雨が少しでも止んでくれることを願って旅は続く。


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