第2話 城崎温泉にカニを食べにいこう

城崎においしいカニを食べさせてくれる店があると知り、青春18きっぷを握りしめて城崎に向かった。朝の6時台に快速電車に乗り大阪から福知山に向かう。福知山では各駅停車に乗り換えて城崎に行く。

福知山では1時間ほどの乗り換え電車の待ち時間がある。

待合室には喫茶店(昔ながらのレトロ風)があり、その店でブランデー入りの紅茶をいただきながら「カニ♪カニ♪」とうきうきとしている。うきうきしているから1時間もアッとにいう間に立ってしまう。城崎温泉行のローカル電車に乗り、車窓の景色もカニに見えてくる。

城崎温泉駅に到着すると温泉には見向きもせず一目散にカニを売っている店にいく。11時から2階のレストランがオープンするがすでに数人並んでいる。私もその列に加わりオープンと同時に店内に案内された。

まずはカニ刺しと焼きガニを注文。お酒は残念ながら日本酒はなく焼酎を注文。

カニ刺しと焼酎に舌鼓を打ち、念願の焼きガニ登場。

ほくほくのカニの身をほぐしながら満面の笑みでいただく。

実はカニ刺しと焼きガニは初めて食べたのだ。カニ刺しの付け合わせのわかめもめっちゃおいしい。追加注文でカニの天ぷら、焼きガニ、カニ刺しとカニ三昧のループをしていると急に気持ち悪くなってきた。

猛烈な吐き気が襲ってくる。トイレに駆け込みリバース。止まらないリバース。

席にもどってもカニの天ぷらにも焼きガニにも手がのびなくなる。店の人も心配そうにこちらを見ているが特に声かけをされない。具合が悪くなってどれくらいの時間がたったか覚えていないが、城崎に到着し、帰りの電車までは3時間の余裕があったはずだが、電車の時間が迫っている。でも吐き気はとまらない。

ふらふらしながらレジで支払いをすると、店員さんが「大丈夫ですか?」と尋ねてくれた。おそらく青を通りこして真っ白な顔をしているのだと思う。

「いや、電車の時間なので、帰らないと・・・」と答えにならない答えを返し、帰路についた。

城崎からの帰りの福知山で乗り換えるのだが、電車は空いており座ることができたが、そこで再びリバースの嵐。幸いビニール袋は複数持っていたので粗相をせずにすんだ。その後福知山で乗り換えの時間を待合室でボーとしてすごし、大阪行きの快速に乗った。

大阪に着くころには灰となった私。

座席に座っていたが、なんとか大阪にたどり着き、大阪駅のホームの明かりを見たときは涙がでた。

こんなひどい体調不良は初めてであったがカニが悪かったのかわかめが悪かったのかはわからない。ただこんな体調不良に見舞われても、あの時食べたカニは美味しかった!まじで美味しかったんだ。そして私は数年後にリベンジに挑むのである。(それはまた後日譚として)

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