彼と彼女の青春はどこかずれている。

[あらすじ]
公立松籟(しょうらい)高校へ通う一年生、朝霧涼也(あさぎりりょうや)は波風の立たない平穏な学生生活を送っていた。
入学して初の学校行事となる体育祭を終えた登校初日。憂鬱気味のまま昼休みを迎えた朝霧涼也は、同級生の中でも一線を画した容姿で注目を集めている女子生徒、夜宮霞(やみやかすみ)から突然声をかけられてしまう。

「少し私の八つ当たりに付き合ってよ」
「おまえには俺がサンドバッグにでも見えているのか？」

……胸をときめかせてしまうような展開が始まるのかと思いきや、突き付けられたのは理不尽な要求であった。それは出会いと呼ぶにはあまりに味気なく、不慮の事故と呼ぶ方がふさわしいものだった。けれどその瞬間から、彼と彼女を取り巻く関係性は少しずつずれていく。



[登場人物一覧]
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