第5話
「
「はい」
小切れよい返事が聞こえ、手に注射が乗せられる。
「ちょっとチクッとしますねー」
言葉と同時に、血管に針を刺す。
「っ……!」
「特に異常はありませんね」
血液検査の結果、特に異常は見つからなかった。
「…そうね」
私たちには何の感情も示さない彼女だが、家族との面会の時だけは表情を動かすことができている。
___「本来なら、感情は全く無くなってしまうんですよね?」
「はい」
「それなのに、少しでも反応してくれるのなら嬉しいです」
「そうですね。……このような事例は全くないので、決定的なことは言えないのですが、最善を尽くしたいと思っています。そこで、治療の参考にしたいので
「はい。……
両手で顔を覆う姿が蘇る。
「…
「え?」
私の呟きが聞こえなかったのか、
「
「そう、ですけど…?」
「
「え、えええ?!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます