第6話
「
先日、
「家族からの愛を感じられなくなり、ついに愛されたいとすら思わなくなってしまう。そうして笑うことしか出来なくなり、最終的に余命1週間の宣告を受けます。」
「そこから考えられることが一つ、見つかりました。それは、
「えっ、本当ですか!」
「はい。でなければ、この様なことは考えられません。そこで私が提案したいのが、こちらの治療法です」
私のアイコンタクトを受け、
「こちらをご覧下さい」
と、テーブルの上に置いた。それは、
「クローズアップトレーニングです」
___「もっともっと愛されたいって思えばいいんだよ」
「…と、言いますと?」
「家族からの愛を再び感じることが出来れば、感情が戻るかもしれない!!」
すると
「……『クローズアップトレーニング』って、どう?」
「なんですか、そのかっこいい名前」
「クローズアップには『寄り添う』っていう意味があるの」
「寄り添う、訓練…ですか?」
「うん。どうかな?」
「いいと思います!その名前で、治療法説明
「いいわね、早速取り掛かりましょう!」___
この資料を作る
「このように、家族全体が寄り添う意識を強く持って頂き、家族との時間をより多く取るというのがよりよい治療法なのではないかと考えました。」
「具体的には、家族全員で食事をとる、テレビを見る、ゲームをする等です」
横から
二人は神妙な
「当たり前のことが、気付いたら出来なくなってしまっていることはよくあります。それをまた家族の中で当たり前にして頂く、というのがこちらの治療法です。いかが、ですか?」
目線を落としたままの二人を真剣に見つめる。
「やろう」
奥さんの言葉に続き、
「ああ、やろう」
と旦那さんが頷いた。
「どうなるかはわからないけど、私たちにやれることがあるのなら、やらせて下さい」
決意に満ちた目が私に向く。
「はい!!」
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