概要
「奥の宮」に入れば、死ぬまで出る事は叶わない。
音由は斬首される直前であった盗賊、小鉄(こてつ)を買い取り、警護隊長の春海も味方つけ、自らの男としての貞操を守るべく、女の園で頭脳戦を展開する。
音由の自身を守る戦いはやがて、国の存亡をも左右することとなるーー。
女の園で繰り広げられる男の戦い! 和風ブロマンス歴史ファンタジー、いざ、開幕。
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「(尻を守る)」のキャッチを変えました
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!美しく嫋やかな存在が、か弱いだけとは限らない!
主に後宮を舞台に、王族や妃同士、国同士の争いの中で生き抜く「主人公」を描いた和風ファンタジーです。後宮ものというと、主人公は女の子だろうという先入観があるでしょうが、本作に登場する「傾国の妃」はなんと美少年なのです!
本作のヒーロー(主人公という意味でも英雄という意味でも)音由は、「男妃」として選ばれて後宮に献上されました。ほんらいは民が笑いものにするため、妃たちの鬱憤のはけ口になるため、いたぶられて虐められた末に早晩嬲り殺されるだけの存在──のはずが、この美少年はまったく大人しくしていません。傾国の姫君さながらの儚げな容姿とは裏腹に、音由は陰謀渦巻く後宮で自我を通し、強かに牙城を築い…続きを読む - ★★★ Excellent!!!尻を守る戦い、すなわち己が尊厳を守る戦い。精緻で硬質な和風ファンタジー
キャッチコピーの「男の戦い(尻を守る)」から、ぱっと見で艶笑系BLの印象を受けてしまうかもしれない本作。
ですが、それで敬遠されるのは非常にもったいない。
男が尻を守る戦いには間違いないんですが、意味するところはむしろ「百鬼夜行の跋扈する大奥で、己が尊厳を守るために知恵の限りを尽くして生き抜く少年の戦い」です。
本作、非常に精緻で硬質な和テイストのファンタジーです。
長編ということで魅力的な登場人物は多数登場しますが、個人的には主人公音由くんの強烈な印象が際立っていました。
絶世の美少年、かつ非常な切れ者でありながら、「百姓のこせがれ」としての泥臭さやしたたかさ、(良い意味での)意地汚さを…続きを読む - ★★★ Excellent!!!流行りを追わず自由に羽ばたく
これを書いてる時点で最新話まで読みました。すごいボリューム。
割と読むのは早い方ですが、寝る前に読むこと三日とちょっと。
設定は堅固で揺らがず、キャラ立ち、文章力も申し分ないです。
残酷さをサラッと描いてあとに引きずらない。読者として「あの、もっと説明を…」と感じるときに物語の激流にのまれ「ああ、そうだ、こっちの問題もあったわ」と、障害物だらけのジェットコースターに乗っている気分になります。
勿論、作家さんがあえてそうしているのもこちらもわかっていて、あとで説明が来るだろうという信頼感があり、そこの構成で破綻がない、だけど読者が予想もしない衝撃を与えてくることがあって、現時点ですでに、ああ…続きを読む