流行りを追わず自由に羽ばたく

これを書いてる時点で最新話まで読みました。すごいボリューム。
割と読むのは早い方ですが、寝る前に読むこと三日とちょっと。

設定は堅固で揺らがず、キャラ立ち、文章力も申し分ないです。
残酷さをサラッと描いてあとに引きずらない。読者として「あの、もっと説明を…」と感じるときに物語の激流にのまれ「ああ、そうだ、こっちの問題もあったわ」と、障害物だらけのジェットコースターに乗っている気分になります。
勿論、作家さんがあえてそうしているのもこちらもわかっていて、あとで説明が来るだろうという信頼感があり、そこの構成で破綻がない、だけど読者が予想もしない衝撃を与えてくることがあって、現時点ですでに、ああ、そうだったのか、と回収されたある伏線でじわりと納得中です。

私が読む限り、わかりやすいキレイなキャラが出ないのも、この作家さんがえがく作品がファンタジーの体裁を取りながらも、地に足をつけている感覚があります。人間ってこうだよね、と。

裏設定やカラクリを作るのがお上手なので、個人的にはミステリーが読みたいです。すでにこの作品は、自称すればそうなるのでは、と。

ジャンルレスの作品を描くことは、作家にとって勇気がいることです。でもそれは逆に、自由があることでもあります。
一番好きな世界を、後悔なくえがいて欲しいです。

残りのお話しを期待しています。

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